004-2 ページ8
「ねえ、ねえ！お兄さんって彼女とかいるの！？」
「は？何を突然…」
「見た感じ、シンプルな部屋だし女性物とかも全くおいてないしいなさそうだけど…どうなの？」
「…関係ないだろお前には」
「いや、関係あるんだよね、それが」
「……何言ってんだ？お前。何の関係があるっつーんだよ」
「だって考えてみてよ！彼女がいたら、私ここに住めないじゃん？」
「……は？」
「私ここに住みたくなっちゃった！」
「は！？！？」
「お兄さんイケメンだし、ご飯美味しいし、見ず知らずの私を助けてくれるなんて優しすぎだし、お部屋も綺麗で最高すぎる！」
目をキラキラさせながら辺りを見回しそんなことをいうこの女。何を言っているのかオレには全く理解できない。
「ねえ、お兄さん。私をここに住まわせてくれない？」
驚き顔のオレの前に、顔を近づけ小首を傾げながらこの女は言った。
面倒な女を助けてしまったと後悔した瞬間だった。
左手で渡したばかりの彼女の服を掴み、右手で彼女の腕を引き立たせると引きずるようにしてオレは無理矢理玄関の前まで連れて行き、突き飛ばす。
「お前をここに住まわせる理由なんかねーわ。さっさと帰れ」
「い、いやだ！」
「嫌だじゃねーよ。じゃあな。今すぐ出ていかねーと警察通報するぞ」
「連れてきたのはお兄さんの方じゃん！」
「連れてきたんじゃない。仕方ないから助けてやったんだ！！」
そう大声で彼女に向かって言えば、わかりやすく彼女は頬を膨らませた。
「私帰る家ないの！ホームレスなの！だからお願い！しばらくここに置いて！！」
「お前、非常識なやつだな。なんで助けてやったにもか関わらずオレが面倒見ないといけねーんだよ」
「いいの！？こんな危ない街に女の子外に放り出して、私が変な人に連れ去られたらお兄さん一生後悔するよ！」
「知らねー。オレには関係ない。ホームレスなんだろ？だったら河川敷に帰りな」
「ひ、ひどい！！」
涙を浮かべながらうるうるとした顔でオレを見上げてくる。その顔は、自分の経営するペットショップにいる動物たちがオレや、来店した客に向ける目とよく似ていた。
くっ………
「…だ、ダメだ！そんな捨て犬みたいな顔したって絶対ダメ！他をあたれ！」
「私はお兄さんがいいの！お兄さんに運命感じちゃったんだもん！！！」
オレの手をがっしり掴む。立膝をついて立っているオレを見上げながらうるうるうるうる……
……マジで、勘弁してくれ…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 148人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
knnk99(プロフ) - つのさんさん» ご指摘ありがとうございます(；´Д｀) 間抜けなミスしてしまいました…。嬉しすぎるお言葉もいただき感謝です。これからもお付き合いいただけましたら幸いです(*ﾟ∀ﾟ*) (2021年8月20日 3時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
つのさん - 9-2千冬が千春になってますよ?この作品好きです！更新楽しみにしてます。 (2021年8月20日 2時) (レス) id: ef4da38789 (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - よるさんさん» コメありがとうございます！いい感じに飴と鞭、千冬くんに使い分けていただいて調教してもらいたいですよね…。楽しんでいただけるように頑張ります。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月19日 21時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
よるさん - 飴と鞭......最高っす (2021年8月19日 16時) (レス) id: 532ad83de5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月17日 22時
