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「ねえ…お兄さん。お兄さんってば」
誰かに起こされる朝はいつぶりだろうか。そうだ彼女が突然居なくなってからだからもう半年くらいは経つだろう。優しく肩を揺すられてオレは目を覚ました。ゆっくり顔を上げると、にっこり笑う女がそこにいた。そうだ、昨日コンビニの駐車場で助けた女だ。
「おはよう、お兄さん。もしかして私のこと助けてくれた感じ？」
童顔な顔立ちからはなかなか想像できないハスキーボイス。朝方だからか病み上がりだからかわからないけれど初めて聞く彼女の声は低く掠れていた。
「…昨日のこと覚えてるのか？」
「なんかいい匂いするお兄さんが、私をおぶってくれたなーっていうのはなんとなく覚えてる」
このスウェットと同じ匂い。私を助けてくれたのお兄さんだよね？ニコニコした表情を浮かべながら彼女はオレにもう一度聞いてきた。コクリと首だけを縦に振る。
「こんなイケメンのお兄さんに助けてもらえるなんて、倒れてラッキーだったかも！」
「……なに馬鹿なこと言ってんだ。体調はもういいのかよ」
「うん。めちゃくちゃ元気だよ！お兄さんが看病してくれたおかげだね。あ、そこに置いてあったお粥もさっき起きて食べちゃった」
美味しかったです。ご馳走様でした。お兄さん料理上手なんですね。なんて嬉しそうに言う彼女。
顔色も悪くないし、飯も食べれたようだし、もう問題はなさそうだ。それならば、なるべく厄介ごとは早いこと解決したい。早く彼女を帰らせて、オレも仕事に行こう。
「元気になったならよかったな。ほら、これお前の着てた服だ。乾燥機に突っ込んだから皺になってるかもしれねぇけど」
「えーーお兄さん気が効くね。料理もできてお洋服まで洗濯してくれるなんて、イケメンさんってやることも完璧なんだね」
「そんなに褒めたって何も出ねーぞ。さ、オレも支度したらすぐ仕事に出るからお前も早く着替えろ。一緒に出るぞ」
「え……」
「え…じゃねーよ。元気になったならさっさと出て行け」
軽く突き放した感じでそういえば彼女は一瞬寂しそうな顔をした。けれどまたにっこり笑う。
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knnk99(プロフ) - つのさんさん» ご指摘ありがとうございます(；´Д｀) 間抜けなミスしてしまいました…。嬉しすぎるお言葉もいただき感謝です。これからもお付き合いいただけましたら幸いです(*ﾟ∀ﾟ*) (2021年8月20日 3時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
つのさん - 9-2千冬が千春になってますよ?この作品好きです！更新楽しみにしてます。 (2021年8月20日 2時) (レス) id: ef4da38789 (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - よるさんさん» コメありがとうございます！いい感じに飴と鞭、千冬くんに使い分けていただいて調教してもらいたいですよね…。楽しんでいただけるように頑張ります。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月19日 21時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
よるさん - 飴と鞭......最高っす (2021年8月19日 16時) (レス) id: 532ad83de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月17日 22時
