003-2 ページ6
「あ、もしもし？タケミっち？」
『おー千冬。どうしたんだよ！電話なんて珍しいな』
「あー…ちょっと緊急事態でさ。今ってヒナちゃんいたりする？」
『へ？ヒナ？あー…ヒナならいるけど…それより緊急事態って…』
「ちょっと聞きたいことあるからヒナちゃんに変われよ」
そう。今のオレにぴったりなアドバイスをくれるのはきっと長年相棒として付き合いのあるこの電話の相手の男ではなく、その男の彼女だった。しっかり者の彼女ならこう言った場面の対処法というやつをきっと教えてくれる。相棒に聞いてもよかったが、こいつは馬鹿だからと選択肢からは早々に外した。
女の子特有の高い声が電話越しから聞こえたところで、細かいことは伏せて「人を看病してるんだけど
、どうしたらいいかわからない」それだけを言えば彼女はテキパキと、こうしてあげて、ああしてあげて。あれがないなら買いに行ったほうがいいかも。といろんなアドバイスをくれた。やっぱり彼女に聞いたのは大正解だった。
彼女に言われた通り、冷却シートやスポーツドリンク、熱が高いため解熱剤などあると便利だとヒナちゃんに言われた通りの品々を薬局へ買いに行った。ついでに起きた時には何か消化のいいものを食べさせてあげてと言われたけれど、家にあるのは先程買ったストック用のカップ焼きそば×1くらいだ。流石に病人にそれは食べさせられないと、薬局の帰りにスーパーにより久しぶりに米を買った。
家に帰ってからはやっぱり体が冷えていちゃ意味がないと着ていた服を脱がして、オレのスウェットを着させた。見ず知らずの女の下着姿を見て興奮するほどオレは飢えていないし、緊急事態なのだから仕方ない。と、もしもこの女が起きてしまった時の言い訳の準備もしっかりして、何度も頭に浮かべながら着替えさせた。着替えさせた後は携帯で調べながら「お粥」と言うものを作ってみる。出来上がったそれを食べてみれば、普通に美味しい…と思う。起きる気配は未だないため、ソファーの前に置いてあるローテーブルにラップをしたお粥とスプーンと先ほど買ってきた解熱剤やら風邪薬の箱を置いておいた。
よし、やれることは全てやった。もうやることはない。そう思い寝室に向かおうとしたけれど、「くーん」と犬の鳴き声みたいな声を漏らす彼女になんとなく目を離すことができなくて動けない。
「…犬みてぇだな」
結局彼女が横になるソファーの下でソファーに頭だけを乗せてオレも寝てしまった。
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knnk99(プロフ) - つのさんさん» ご指摘ありがとうございます(；´Д｀) 間抜けなミスしてしまいました…。嬉しすぎるお言葉もいただき感謝です。これからもお付き合いいただけましたら幸いです(*ﾟ∀ﾟ*) (2021年8月20日 3時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
つのさん - 9-2千冬が千春になってますよ?この作品好きです！更新楽しみにしてます。 (2021年8月20日 2時) (レス) id: ef4da38789 (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - よるさんさん» コメありがとうございます！いい感じに飴と鞭、千冬くんに使い分けていただいて調教してもらいたいですよね…。楽しんでいただけるように頑張ります。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月19日 21時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
よるさん - 飴と鞭......最高っす (2021年8月19日 16時) (レス) id: 532ad83de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月17日 22時
