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目の前にいる愛犬は本当にペケなのかと自分の目を疑った。いつも家を出る時とは違う化粧、綺麗に纏められた髪、腕も足も露出されるような煌びやかなドレス。着飾られたペケはオレが知っているペケではなかった。けれど、目の前にいる女は間違いなくペケだ。何でこんなところにいるんだというオレの疑問は、聞かずしてもわかる。
ペケの職場、ここだったのかよ…。
仕事が決まったと言った時、「どんな仕事？」と一度問いかけたことはあったが「接客業」と大雑把に答えられてオレも「ふぅん」なんて返したがまさかキャバ嬢で、一虎くんの指名する女で、一虎くんが今想いを寄せる女だなんて思いもしなかった。
こんなことってあんのかよと頭を抱える。
「…ち、千冬さんですね。初めまして、Aです。いつも羽宮さんには良くしてもらってるんですよ」
ペケは驚いたように目をまん丸くしていたが、ハッとしたように慌てて作り笑いを浮かべると、オレにそんな挨拶をして一虎くんの隣に座った。
「……」
「……」
「…え、何この空気？」
動揺を隠せないオレとペケがしばらく黙りこくっていると、その空気に疑問を抱いた一虎くんはボソッと呟いた。そんなタイミングでどこからともなく携帯の着信音が鳴り響く。携帯の持ち主は一虎くんだった。一虎くんはポケットから携帯を取り出し着信相手を確認すると、小さく舌打ちをしてから「ちょっと電話してくる」と席を立った。
「…びっくりした。羽宮さんの同僚がまさか千冬くんだなんて…」
「…それはこっちのセリフだよ」
一虎くんがいなくなり2人きりの空間になるとペケは気まずそうにオレから視線を外し、水滴もついていないグラスをハンカチで拭きながら口を開いた。
「…あの、千冬くん怒ってる？」
「何で？」
「いや、なんとなく…」
「怒ってねぇよ…ただびっくりしただけ」
思い返せば、元彼の高額な借金を一括返済したと聞いた時から可笑しいとは思っていた。ペケのような若い女がそう易々と持っている金額ではない。だけど綺麗な身なりをして隣に上品に座るペケを見て納得する。黙ってれば見てくれはいいし、愛嬌もある。こう言う仕事だったらこいつは上手いこと稼げそうな女だと思った。現に仕事仲間である一虎くんがハマってる。きっとこいつは前職でもキャバ嬢をやっていて、いい仕事をして稼いでいたんだろうなと思った。
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knnk99(プロフ) - つのさんさん» ご指摘ありがとうございます(；´Д｀) 間抜けなミスしてしまいました…。嬉しすぎるお言葉もいただき感謝です。これからもお付き合いいただけましたら幸いです(*ﾟ∀ﾟ*) (2021年8月20日 3時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
つのさん - 9-2千冬が千春になってますよ?この作品好きです！更新楽しみにしてます。 (2021年8月20日 2時) (レス) id: ef4da38789 (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - よるさんさん» コメありがとうございます！いい感じに飴と鞭、千冬くんに使い分けていただいて調教してもらいたいですよね…。楽しんでいただけるように頑張ります。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月19日 21時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
よるさん - 飴と鞭......最高っす (2021年8月19日 16時) (レス) id: 532ad83de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月17日 22時
