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「それで？」
「Aは店の男に相談しろって言ったらしいんだけどサキは、迷惑かけたくない、被害があるわけじゃないから大丈夫の一点張りで頑なに助けを求めないらしい」
「…んなこと言ったって、何かあってからじゃ遅ぇじゃん」
「そう。だからAは、その先輩を放っておくわけにはいかないって、自分が先輩の帰りを尾行してそのストーカーを特定して犯人を捕まえたいって言い始めた」
それを聞いた時、オレは一虎くんの想いを寄せるAという女を心底バカだと思った。女1人でそんな危ないことするなんてどうかしてる。
「もちろんオレも止めたぞ？けどアイツも頑固でオレの話なんか聞いちゃいねぇ」
「それで？一虎くんどうする気？」
「そんなん聞いて黙ってなんかいられねーだろ。女1人で解決なんてできるわけねぇし、その先輩のサキって女はどうでもいいけど、Aのことは放っておけねぇ…だから、手伝うことにした」
「おい…それマジで言ってんの？」
「オレがそいつさえ捕まえれば、アイツも一人で危ねぇことしねーだろ」
「そりゃ、そうかもしんねーけど…てゆーか、話の内容はわかったけど。何でオレをこんなところまで連れてきた？」
なんとなくわかってはいたけれど、一番気になっていたことを一虎くんにもう一度尋ねる。すると一虎くんは、ニヤっと嫌な笑みを溢した。
「暇だろ、千冬。男手は多い方がいい、手伝えよ。久しぶりに暴れたいだろ」
「…マジかよ」
自分に全く無関係のストーカー退治にオレは巻き込まれることとなった。
慣れた様子で店の中に入っていく一虎くんの後ろをついていく。正直一虎くんは喧嘩に関してはオレよりも強いと思う。だから別にオレがついていく必要なんてないし、「何でオレが巻き込まれなきゃいけねーんだ」と悪態ついて帰ることもできた。けれど、首を振らずに一虎くんに着いてきたのは、一虎くんが気になっている女が少しだけどんなやつか気になるというのと、昔から暴走壁がある彼が何をしでかすかわからないという不安。
12年前のあの悲惨な出来事で、一虎くんは更生した。だから心配なんかする必要はないとは思うけど…
(場地さんならきっと…)
何年経っても考えずにはいられない。
オレにとって特別な人の存在。
一虎くんはあの人の大切な人だ。
命をかけてでも守りたかった人だ。
あの人がいなくなった今、一虎くんを見守る立場をオレはあの人から引き受けた。…帰るわけにはいかねぇ。
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knnk99(プロフ) - つのさんさん» ご指摘ありがとうございます(；´Д｀) 間抜けなミスしてしまいました…。嬉しすぎるお言葉もいただき感謝です。これからもお付き合いいただけましたら幸いです(*ﾟ∀ﾟ*) (2021年8月20日 3時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
つのさん - 9-2千冬が千春になってますよ?この作品好きです！更新楽しみにしてます。 (2021年8月20日 2時) (レス) id: ef4da38789 (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - よるさんさん» コメありがとうございます！いい感じに飴と鞭、千冬くんに使い分けていただいて調教してもらいたいですよね…。楽しんでいただけるように頑張ります。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月19日 21時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
よるさん - 飴と鞭......最高っす (2021年8月19日 16時) (レス) id: 532ad83de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月17日 22時
