016-1 ページ43
目の前の煌びやかなネオンの看板には[CLUB S'］と書いてあった。自分が経営するペットショップからさほど遠くない位置にあるその店に何故かオレは連れてこられている。
「え、ここ？」
「うん」
「一虎くんの好きなやつって」
「バカ！ちげーよ！好きなやつじゃなくて気になるやつ」
「…どっちでもいいけど、もしかしてキャバ嬢？」
「っ、悪いかよ」
プイッと顔を背けてオレに背を向けた一虎くん。照れているのか後ろから見た一虎くんの耳はほんのり赤く染まり、意外にウブな反応を見せた彼に笑いが溢れる。
「てめぇ、何笑ってんだよ」
「いや、意外だなって。どっちかって言うと女を振り回す側の一虎くんが、キャバ嬢に転がされてるなんて」
「転がされてるわけじゃない！」
「はいはい、それで？何でオレを連れてきたの？まさかまだ付き合ってもないのに紹介ってわけでもないだろ？」
「あぁ、そのことなんだけど…」
一虎くんの意中の相手である指名の女の子は名前を"A"と言うらしい。仕事の取引先で出逢ったおっさんに気に入られた一虎くんは定期的にこの店に連れてこられその時に彼女と出逢ったのだという。基本的にはおっさんがいる時にしか来なかった一虎くんだが、Aに出逢ってからは、1人でもこの店に来るようになったとのことだった。純粋に、新人のキャバ嬢で若い彼女を応援したいと自然に思うようになったのと、何故だか話していると彼女のことが気になって仕方なくなり、それから週に2,3度来ているという。
なるほど…だから最近は仕事が終わり飲みに誘ってもオレの誘いを断りさっさと帰っていたのかと最近の彼の行動に納得した。その頻度で来ていれば、Aと仲良くなるのは一瞬で、そして持ちかけられたのは彼女からの相談だったらしい。
「は？ストーカー？」
「ああ」
「そのAって女が？」
「いや違う。Aが懐いてる先輩のほう」
「？どう言うことだよ」
「Aの先輩にサキって女がいるんだけど、そいつがさ、店終わりの帰り道いつもついてくる男がいて困ってるらしいんだ」
「なんだそれ、客かなんかじゃねぇの？」
「さあ、A曰くサキはそいつに見覚えは全くないっていうからどこのどいつかすらわかんねぇ」
「けどよ、こういう店って店のやつが送ってくれたりするんだろ？それなのにストーカー？」
「オレも詳しい話はわかんねぇ。遠いやつは送迎があるっぽいけど、そいつは家が近いからいつも歩きで帰ってるんだと」
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knnk99(プロフ) - つのさんさん» ご指摘ありがとうございます(；´Д｀) 間抜けなミスしてしまいました…。嬉しすぎるお言葉もいただき感謝です。これからもお付き合いいただけましたら幸いです(*ﾟ∀ﾟ*) (2021年8月20日 3時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
つのさん - 9-2千冬が千春になってますよ?この作品好きです！更新楽しみにしてます。 (2021年8月20日 2時) (レス) id: ef4da38789 (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - よるさんさん» コメありがとうございます！いい感じに飴と鞭、千冬くんに使い分けていただいて調教してもらいたいですよね…。楽しんでいただけるように頑張ります。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月19日 21時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
よるさん - 飴と鞭......最高っす (2021年8月19日 16時) (レス) id: 532ad83de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月17日 22時
