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家の前まで無事に着いたところで、ポケットの中に入っているキーケースを取り出した。背中に人をおぶってるため手の自由が効かず鍵穴に鍵をぶっ刺しドアを開けるまで随分と時間をとられもたついてしまった。こんなところを他の住人に見られたらどんな噂が流れるかわからない。さっさと部屋の中に入ろうと、慌てて開いたドアの中に体を滑り込ませた。
リビングまで行き、とりあえず後ろに背負う彼女をソファーにそっとおろす。びしょ濡れの洋服のままソファーに寝かせてしまったため、あとでカバー変えなきゃなんてため息を吐きつつ、とりあえずバスタオルやタオルケットやら、とにかく冷えた彼女の体を温められる代物を部屋中からかき集めた。本当は服も脱がせて着替えさせるべきなんだろうけど、最中に目を覚まされたら完全に犯罪者扱いされるに決まってる。そしたらオレの人生はジ・エンドだ。とりあえず服に関しては仕方ないものとし放置の方向で髪の毛をわしゃわしゃとタオルで拭いてあげた。
一通り彼女にできる全てのことをしてあげたオレは、シャワーを浴び、カップ焼きそばにお湯を注ぎ完成を待つ時間を過ごしていた。そんなとき、小さい魘されているような声が聞こえて、慌てて彼女の様子を見に行く。
先程シャワーを浴びに行く前に見た時より、彼女の顔は真っ赤に染まり、息苦しそうに肩を使って呼吸をしていた。まさか…と思いつつ体温を測ってみれば、
「38.9℃って……重症じゃねぇか」
やっぱり選択肢としては、救急車が正しかったかもしれない。
目の前には苦しそうな病人がいて、何かしなきゃとは思うのに何もできないオレは使えない男だった。こういう時一般的にみんなどんなことするんだろうと考える。今までの同棲生活で彼女が熱を出した時もあったが、今と同じように慌てることしかできなくて、そんなオレを煩わしく思った彼女は「何もしないで、お願いだから」と懇願してきて、結局言われた通り彼女のことは放置することになってしまった。だからオレは看病なんてしたことがない。情けないけれど、今苦しそうに表情を歪ませているこの女を前に、どうしたらいいかわからないのだ。
こういう時は……あ！そうだ！
あることを思いついたオレは携帯を取り出した。
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knnk99(プロフ) - つのさんさん» ご指摘ありがとうございます(；´Д｀) 間抜けなミスしてしまいました…。嬉しすぎるお言葉もいただき感謝です。これからもお付き合いいただけましたら幸いです(*ﾟ∀ﾟ*) (2021年8月20日 3時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
つのさん - 9-2千冬が千春になってますよ?この作品好きです！更新楽しみにしてます。 (2021年8月20日 2時) (レス) id: ef4da38789 (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - よるさんさん» コメありがとうございます！いい感じに飴と鞭、千冬くんに使い分けていただいて調教してもらいたいですよね…。楽しんでいただけるように頑張ります。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月19日 21時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
よるさん - 飴と鞭......最高っす (2021年8月19日 16時) (レス) id: 532ad83de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月17日 22時
