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「えー指名決まらないって、そんな女の子の好みにうるさい人なんですか？」
「んーっていうより、あのおっさんに無理矢理連れてこられてるっぽいからあまり興味がないんじゃない？」
「なるほどですね。…あのお兄さんはお金持ちですか？」
「全然。金があるのはおっさんの方。だけどおっさんがいつもまとめてお金払ってるし、あのおっさんはお金無限に出してくるから、あそこで指名取れるのはでかいよ」
頑張んな。そう言ってサキさんは私の背中を叩いて立ち上がる。そうか、指名だから席に着いちゃうのか。なんてぼーっとしながらその様子を見ていると「Aさんお願いします」と黒服さんから声がかかった。
「ほら、呼ばれたでしょ？」
ふわり笑ったサキさんは私に手を差し出して「行こう」と言った。初めてのお客様だ。彼女の言う通り、手っ取り早く稼ぐためにはとにかく指名のお客様を増やすことがキャバ嬢は一番重要である。
心の中で、大好きなイケメンご主人様を思い浮かべ気合を入れて立ち上がった。
「こんばんは、初めまして。お隣よろしいですか？」
黒服さんに案内されながら、先程サキさんと話していたおっさんとチャラ兄さんの席の前まで行き、チャラ兄さんに挨拶をする。ニコッと笑って「どうぞー」なんて愛嬌よく言うもんだから、あれ想像してたより怖そうな人じゃなくてよかったと安心する。
「ねぇねぇ、丸山さん！この子新人のAちゃん。今日からなの。さっきまでお話しててね、サキと仲良くなったから丸山さんも仲良くしてくれると嬉しいな」
さっきまでクールな印象だったサキさんは猫撫で声で、おっさん…おっと失礼。丸山さん(おっさん)の膝に手を置いて言った。このテーブルで私が浮かないようにとパスを出してくれた彼女に感謝しながら丸山さんに頭を下げると「好きなもの飲めばいいよ」とドリンクをくれる。その様子をチャラ兄さんは黙って見ていた。
「改めて…Aです。お兄さんのことなんて呼んだらいいですか？」
「ん？何でもいいよ。悪いけどオレ付き添いの身だし、君と話すこともうないと思うから」
「…そうなんですね。あ、えっと…でも教えてくれないと私一生チャラ兄さんって呼んじゃいそうなんですけど…あだ名でもいいので教えてくれません？」
そう言うとチャラ兄さんは、おっきな目をパチクリさせてから「チャラ兄さんね。まあ、それでいいよ」と適当に私をあしらった。
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knnk99(プロフ) - つのさんさん» ご指摘ありがとうございます(；´Д｀) 間抜けなミスしてしまいました…。嬉しすぎるお言葉もいただき感謝です。これからもお付き合いいただけましたら幸いです(*ﾟ∀ﾟ*) (2021年8月20日 3時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
つのさん - 9-2千冬が千春になってますよ?この作品好きです！更新楽しみにしてます。 (2021年8月20日 2時) (レス) id: ef4da38789 (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - よるさんさん» コメありがとうございます！いい感じに飴と鞭、千冬くんに使い分けていただいて調教してもらいたいですよね…。楽しんでいただけるように頑張ります。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月19日 21時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
よるさん - 飴と鞭......最高っす (2021年8月19日 16時) (レス) id: 532ad83de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月17日 22時
