014-1(お話訂正しました) ページ34
「あんた、最近入った子？」
キレイに巻かれた髪の毛を手で弄りながら、彼女は私の隣に座った。ゆっくり足を組んでタバコに火をつける姿は、なんだかとてもキレイで女の自分から見ても見惚れてしまう容姿をしていた。
「あ、はい！今日から入りました。Aです」
「あんたが、Aちゃんか。私はサキ、よろしくね」
サキと名乗った彼女は、綺麗に微笑みながらタバコを持つ手とは反対の手を私に差し出してきた。両手でぎゅっとしっかり握って「こちらこそ」と頭を下げる。
約2週間前、私はイケメン犬系男子のペットとなり、そしてそのご主人様のおかげで新しい仕事を見つけることが出来、今日がその初出勤の日だった。サキさんの雰囲気や他の人が彼女に挨拶をしながら通り過ぎる姿を見て、なんとなくこの人は歴が長い人なんだと思い背筋を伸ばす。
「店長が言ってた、あんたのこと。訳ありの家なき子だって」
「え、恥ずかしいな…」
「いや、絶対照れるとこじゃないよ。…家なき子って、どう言う訳あり？」
「ははは、大した訳ありでもないんですけど…」
「話したくないならいいけど、お金早く稼ぎたいんでしょ？だったらまず一緒に働く女の子たちと仲良くならないと」
私が働きはじめたのは「キャバクラ」だった。
元々、キャバクラ経験しか仕事歴がない私は、やるならキャバ嬢しかないと、千冬くんの自宅からそう遠くない店へ入店した。初対面にも関わらずズカズカと踏み込んで聞いてくる彼女に、笑って濁してしまおうかと一瞬思ったけれど、彼女の言う通りその仕事は個人プレイの仕事ではあるけれど、一緒に働く仲間たちの協力もとても重要である。そのためせっかく声をかけてくれている彼女(しかもお局っぽい)を適当にして嫌われ、せっかく見つけた仕事を棒に振るわけにはいかなかった。
とにかく今はお金を稼ぎたい。こんな私を拾ってくれた神様のようなご主人様に早くお金を返し、引越し資金を貯め一人で生活出来るようにする。そんな目標が私にはある。だから一分一秒無駄にしないために、一緒に働く人たちとコミュニケーションをとることは必要不可欠であった。
「あの…変な話なんですけどね、実は私、今…人に飼われてるんです」
「…は？あんた頭大丈夫そう？」
「だ、大丈夫ですよ！至って正常です。今、面倒見ていただいている方に飼われていて、私はそのご主人様のペットなんです」
ありのままを話せばサキさんは、「あんた面白いね」そう言って笑った。
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knnk99(プロフ) - つのさんさん» ご指摘ありがとうございます(；´Д｀) 間抜けなミスしてしまいました…。嬉しすぎるお言葉もいただき感謝です。これからもお付き合いいただけましたら幸いです(*ﾟ∀ﾟ*) (2021年8月20日 3時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
つのさん - 9-2千冬が千春になってますよ?この作品好きです！更新楽しみにしてます。 (2021年8月20日 2時) (レス) id: ef4da38789 (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - よるさんさん» コメありがとうございます！いい感じに飴と鞭、千冬くんに使い分けていただいて調教してもらいたいですよね…。楽しんでいただけるように頑張ります。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月19日 21時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
よるさん - 飴と鞭......最高っす (2021年8月19日 16時) (レス) id: 532ad83de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月17日 22時
