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「…え、こんなところに…人？」
え？もしかしてオレ今見えちゃいけないもの見えてる感じ？いや、でも座り込んで投げ出された足はしっかり2本ついているし、髪の毛も有名なホラー映画のような黒髪ロングなんかじゃなく割と派手な色をしている。加えて言えば、露出激しめな服に、キャバ嬢かと突っ込みたくなるぐらい高いヒールの靴が近くに転がっていた。こんなパリピな幽霊なんて聞いたことない。
けれどこんな夜に雨に打たれてコンビニの駐車場でぐったりしてる女。ホラーよりも何よりもとにかく面倒臭い案件すぎた。見て見ぬフリをして帰ろうか。そう思った時、
「(…でも、場地さんだったらきっと…)」
ふと頭によぎった人物を思い出し、オレは一歩一歩、その女に近づいて行った。
「おい、お前大丈夫か？」
雨でびしょ濡れになった体を人差し指で突いてみる。変に触ったりしてセクハラだと騒がれても面倒だ。
何度も「大丈夫か？」とか「聞こえるか？」そう声をかけながら少し強めに突くもびくともしなかった。
けれど、人差し指の先しか触っていないのに彼女の体が冷え切っていることはすぐにわかる。「はぁはぁ」と荒い息遣いで呼吸する彼女にどうしようかと脳内はパニックだった。やっぱり見て見ぬ振りしとけばよかった！なんて後悔まで押し寄せてくる。
こう言う場合はなんだ…？正しいのはどこだ？
救急車か？警察か？それともコンビニの敷地内なんだからまずはコンビニの店員を呼んでくるか？
いろんな対応方法を考えるもどれもピンとこない。
激しい雨と彼女の息遣いに焦りから段々イライラしてきた。
「っくそっ、めんどくせー！！」
手に持っていた先程購入したカップ焼きそばが入った袋を無理矢理リュックの中に突っ込み、着ていたスーツのジャケットを彼女の背中にかけてやる。それから前向きにリュックを背負い、彼女の両腕を自身の背中から自分の肩に引っ掛けさせてそのまま勢いよく持ち上げた。お陰で傘はさせなくてオレまでずぶ濡れだ。何でこんなことと思うけれどやっぱり思い浮かぶのはあの人の姿。
「(…絶対、場地さんもこうしてる、はず！)」
呪われたようにそれを唱え続け、見知らぬ女を連れて自分の家へと急ぐ。
それは、いつもとは全く違う帰り道の出来事だった。
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knnk99(プロフ) - つのさんさん» ご指摘ありがとうございます(；´Д｀) 間抜けなミスしてしまいました…。嬉しすぎるお言葉もいただき感謝です。これからもお付き合いいただけましたら幸いです(*ﾟ∀ﾟ*) (2021年8月20日 3時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
つのさん - 9-2千冬が千春になってますよ?この作品好きです！更新楽しみにしてます。 (2021年8月20日 2時) (レス) id: ef4da38789 (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - よるさんさん» コメありがとうございます！いい感じに飴と鞭、千冬くんに使い分けていただいて調教してもらいたいですよね…。楽しんでいただけるように頑張ります。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月19日 21時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
よるさん - 飴と鞭......最高っす (2021年8月19日 16時) (レス) id: 532ad83de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月17日 22時
