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ペケが唯一持っていた露出度100%の洋服は着ることを禁じた。代わりにオレのオーバーTシャツを貸してやる。小柄なペケがそれを着れば、ある意味ワンピースみたいで良いサイズ感だった。下はスウェットでも貸そうと洋服を漁って見たが「下着見えないから大丈夫」とペケに断られ、奴の格好はTシャツ1枚にクロックスというラフすぎるスタイルで完成した。年頃の女の子にセンター街をこんな格好で歩かせるのは可哀想かとも思ったが、他にどうすることもできないため結局その格好でお散歩は開始された。
「私一生千冬くんのお洋服でいいんだけどな。千冬くんの匂いがぷんぷんしてて最高だよ！？」
「おい、変態メスドッグ！匂いを嗅ぐな！」
「千冬くんの匂い落ち着くんだもん」
「そんなことはどーでもいい！…お前気づかないのか？」
「え？なにを？」
「…さっきからチラチラ視線感じるだろ」
「あぁ…千冬くんイケメンだもんね」
「そうじゃねぇ！見られてんのはお前な！！今はオレが一緒だからいいけど普段そんな格好で出歩かせるわけにいかねーの」
「…あれ？私？っていうか千冬くん！もしかして心配してくれてるの？」
「心配なんかしてねぇわ！…オレは、さっきから視界にチラつくクズたちが鬱陶しいだけ」
当たりを見回しながらそう言えば、彼女はくすくす笑って「優しいね」と微笑んだ。別に優しくなんかない。ただオレは、周りの男たちのペケを見る目が、動物を抱くためだけにくる店の客と重なって気持ち悪かった。一瞬の自己満足のために抱いて、癒されとっとと帰っていく客。遊ぶだけ遊んで捨てようと考えてるだろう周りの男の嫌な目つき。その二つが重なり酷い嫌悪感に襲われた。どいつもこいつもうざってぇ。端から面倒見る気がねぇなら抱くんじゃねぇ。端から遊ぶつもりだけだっていうならそういう店に行けばいい。あそこにいる動物たちも、この犬もお前らの欲求満たすためだけにいるんじゃねぇんだよ。
「…くん！千冬くん！」
ポンポンと肩を叩くリズムでハッとする。心配そうにオレの顔を覗き込むペケの顔を見てスーッとそのイライラが抜けていくのがわかった。
「…悪い。ボーッとしてた」
「え、大丈夫？急に黙っちゃうからビックリした！暑くて少しバテたんじゃない？とりあえず続きの買い物は後で、涼みがてらご飯食べない？私もお腹空いちゃったし、エサの時間ですよ！エサをください！」
そう言ってペケは一軒のカフェを指さした。
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knnk99(プロフ) - つのさんさん» ご指摘ありがとうございます(；´Д｀) 間抜けなミスしてしまいました…。嬉しすぎるお言葉もいただき感謝です。これからもお付き合いいただけましたら幸いです(*ﾟ∀ﾟ*) (2021年8月20日 3時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
つのさん - 9-2千冬が千春になってますよ?この作品好きです！更新楽しみにしてます。 (2021年8月20日 2時) (レス) id: ef4da38789 (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - よるさんさん» コメありがとうございます！いい感じに飴と鞭、千冬くんに使い分けていただいて調教してもらいたいですよね…。楽しんでいただけるように頑張ります。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月19日 21時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
よるさん - 飴と鞭......最高っす (2021年8月19日 16時) (レス) id: 532ad83de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月17日 22時
