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「で、お散歩ってなに！？」
「…朝から面倒なこと言ってきたからやっぱなし」
「え！？なんで！？ペケは千冬くんの言ったように5秒以内にちゃんと起きたよ！」
「狸寝入りしてたなら話は別だ！」
「それはずるい！ペットがご主人様の言いつけを守った時はきちんとご褒美をあげるべきだと、全国の犬を代表して主張します！」
そんなバカみたいなことをこのバカ犬がよく吠えるせいで、オレは家でため息をつく回数こそは増えてしまったが、逆にこのバカ犬のおかげで余計なことを考える機会は減り、イライラする回数は減っていた。こいつと出会う前は何にイライラしているか自分でも分からず、一虎くんに指摘されるくらいその感情はオレの顔に張り付いていたが、今は指摘をされることもなくなった。一虎くんがあの日言った、「ペットでも飼えば？」という提案は悔しいけれど効果は抜群のようだった。
「はぁ…。お前の色々買いに行こうと思ったの」
「え？色々って？」
「お前の私物なんて、あの面積の少ねーよくわかんねぇ服だけだろ？服も靴もなければ、仕事だって見つけらんねーだろ」
そう言うと、彼女は目をまん丸に見開いた。
ここ数日彼女はオレが許可したパソコンを使って、元いた住所からオレの家への住所変更や、身分証明書の再発行等のいろんな手続き用の書類を作成をしていたが作られた書類をそのままに中々出かけようとしない彼女に声をかければ、「私…靴ないから出かけられない」と気まずい顔をしながらそう言った。思い返せばオレが彼女を発見した時、彼女の近くにはキャバ嬢が履いてるような馬鹿みたいに高いヒールが転がっていたが、オレは彼女への対応の方に気を取られてすっかり持ってきてやるのを忘れていた。そのため彼女の今の私物といったらその時着ていた洋服だけ。他は何も持っていなかった。
「いつまでもソファーで寝かせるわけにもいかねーし、ベッドとかもついでに買えよ。新しい家見つけた時どっちにしろ使うだろ」
「え、でも私本当にお金一円も持ってなくて…」
「んなことわかってる」
「…え、じゃあどうやって…」
「オレが出してやる」
「……え…買ってくれるってこと？」
「ペケ、人生ってのはなそんなに甘くねぇ。貸してやるって言ってんだ。仕事見つけたら死ぬ気で働いてきっちり返せよ」
ニヤリと笑ってそういえば、まだ食事中だと言うのに「ご主人様大好きーー！！」と言いながら抱きついてきた。
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knnk99(プロフ) - つのさんさん» ご指摘ありがとうございます(；´Д｀) 間抜けなミスしてしまいました…。嬉しすぎるお言葉もいただき感謝です。これからもお付き合いいただけましたら幸いです(*ﾟ∀ﾟ*) (2021年8月20日 3時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
つのさん - 9-2千冬が千春になってますよ?この作品好きです！更新楽しみにしてます。 (2021年8月20日 2時) (レス) id: ef4da38789 (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - よるさんさん» コメありがとうございます！いい感じに飴と鞭、千冬くんに使い分けていただいて調教してもらいたいですよね…。楽しんでいただけるように頑張ります。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月19日 21時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
よるさん - 飴と鞭......最高っす (2021年8月19日 16時) (レス) id: 532ad83de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月17日 22時
