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「ペケ、起きろ」
ソファーでタオルケットにくるまり寝ていたペケに声をかけると、主人がとっくに起きているというのに彼女は寝返りを打つだけで中々起きてはくれなかった。そんな姿にイライラしたオレは「ペケ、5秒以内に起きろ。起きたら散歩に連れてってやる」そう声をかける。するとさっきまで全く起きる様子がなかったペケは目にも留まらぬ速さで起き上がりソファーから降り「おはようございます！ご主人様」と元気な挨拶をした。
「テメェ、さては起きてたな」
「え？なんのこと？」
「とぼけんな！！」
「だってーー！千冬くんに抱っこして起こしてもらいたかったんだもん！」
こいつが言っている抱っこというのは、2日前起こしても起こしても全く起きなかったこいつを、面倒臭くなり無理矢理起こそうと脇の下に手を突っ込んで、ソファから抱き上げ強制的にソファーの下に立たせ起こしたことを言っていた。普通そんな起こされ方をしたら誰だって気分が悪くなるだろうけど、人権を捨てオレの飼い犬となったこいつは喜んだ。オレの飼い犬は色々と普通じゃない。
「あれは抱っこじゃない！無理矢理起こしただけ！」
「えー！あーやって毎日起こして欲しい！」
「そんな疲れるようなこと朝からさせるな！」
「だって、目覚めたらご主人様の端正な顔が目の前に広がってるんだよ！幸せすぎる！最高すぎ！」
「…次一発で起きなかったら、お前をソファー代わりにしてあぐらかいて座ってやる」
そんなオレの脅し文句でさえ、「うー、仰向けじゃなくてうつ伏せの時ならそれでもいいよ」なんて言ってへらへら笑う、変な女…いや変な犬だった。
うだうだ朝からうるさいバカ犬に「早く顔洗って歯磨いてこい！」と指示すると、まだ飼い犬になって数日しか経っていないというのにも関わらず、慣れた足取りで洗面所へと走っていった。最初にオレ(主)がペケ(飼い犬)に教えたのは毎日起きたら必ずやる顔洗いと歯磨きだった。ストック用の歯ブラシを与え、タオルを入っている場所を教えた。顔を洗い、歯を磨いた後は、近くにある専用の布で洗面所の水回りを綺麗にする。これが松野家(オレ)のルールだったが、1度でそれらを覚えた利口なペケは、教えて以来きちんと条件書にあるとおりオレの言いつけを守った。
ペケが顔を洗っている間に作って置いた朝食をテーブルの上に並べて食事の準備をする。たった数日だけど、オレたちの朝の始まりはこんな感じだった。
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knnk99(プロフ) - つのさんさん» ご指摘ありがとうございます(；´Д｀) 間抜けなミスしてしまいました…。嬉しすぎるお言葉もいただき感謝です。これからもお付き合いいただけましたら幸いです(*ﾟ∀ﾟ*) (2021年8月20日 3時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
つのさん - 9-2千冬が千春になってますよ?この作品好きです！更新楽しみにしてます。 (2021年8月20日 2時) (レス) id: ef4da38789 (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - よるさんさん» コメありがとうございます！いい感じに飴と鞭、千冬くんに使い分けていただいて調教してもらいたいですよね…。楽しんでいただけるように頑張ります。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月19日 21時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
よるさん - 飴と鞭......最高っす (2021年8月19日 16時) (レス) id: 532ad83de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月17日 22時
