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2重施錠の玄関をガチャガチャと音を立ててあける。あけて中に入れば案の定部屋の中は真っ暗で、何の音もしなかった。それはそうだ。人間の女がペットになるなんて話、どこの世界にいったらありえるのか。
冷静に考えればわかるはずなのに、本当にそうなると思って呑気にあの女のための夕食の具材を買ってきたオレはどうかしてる。こんなことならコンビニでいつも通りのカップ焼きそばでよかったじゃないか。そう思いながら靴を脱いだ。
ドタドタドタバタ！
そんな時、大きな足音が聞こえパッと目の前を見えれば真っ黒な視界の中から近づいてくる影。
「おーかーえーりなさーい！！！」
馬鹿みたいにでかい声でそう叫んだその影の正体は、思いっきりオレの腹あたりに飛びついてきた。
咄嗟にそれを受け止めようと持っていたビニール袋を落として、飛びついてきた体を受け止める。けれど勢いよく飛びついたそいつのせいでバランスを崩したオレは結局背中にある玄関の扉に後頭部ごとぶつけ座り込むように倒れた。
「っ！…痛ぇー」
「わ！千冬くん大丈夫！？」
「…大丈夫？じゃねーんだよこの馬鹿犬！！こんな暗闇でいきなり飛びついてくんな！！」
でかい声で影の正体である、ペット女を怒鳴りつければ彼女は「ごめんなさい、痛かったよね」そう言ってオレの後頭部に手を伸ばし、よしよしと頭を撫でてきた。
「ったく、なんで電気つけてないんだよ！てっきり出て行ったのかと思ったわ」
「え！何で！？出て行くわけないじゃん！電気をつけなかったのは、私がいることで無駄な電気代とか掛かったらやだなって思っただけ」
「…は？じゃあもしかして1日中電気つけてなかったのか？」
「そうだよ。この家のリビングめちゃめちゃ日当たりいいから昼間はよかったんだけど、夜はやっぱり真っ暗で怖いね。怖いなー寂しいなーって思ってた時、玄関が開く音聞こえて千冬くんが帰ってきたと思ったら嬉しすぎて飛びついちゃった」
「ごめんね。次からは飛び付かないように気をつけるね」未だにオレの腹のあたりにぎゅーっとしがみつきながらそんなこというこの女に、「電気くらい自由につけろよ。こっちの心臓が止まるわ」そう言って頭を小突いてやった。
「次からは電気をつけて、玄関でお座りして主の帰宅を待ってることを約束します」
「…本当にそんなことができたら褒美にいい餌でもくれてやるよ」
そういうと「え！？なになに！？いい餌って！？」と嬉しそうに彼女は顔を上げた。
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knnk99(プロフ) - つのさんさん» ご指摘ありがとうございます(；´Д｀) 間抜けなミスしてしまいました…。嬉しすぎるお言葉もいただき感謝です。これからもお付き合いいただけましたら幸いです(*ﾟ∀ﾟ*) (2021年8月20日 3時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
つのさん - 9-2千冬が千春になってますよ?この作品好きです！更新楽しみにしてます。 (2021年8月20日 2時) (レス) id: ef4da38789 (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - よるさんさん» コメありがとうございます！いい感じに飴と鞭、千冬くんに使い分けていただいて調教してもらいたいですよね…。楽しんでいただけるように頑張ります。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月19日 21時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
よるさん - 飴と鞭......最高っす (2021年8月19日 16時) (レス) id: 532ad83de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月17日 22時
