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「あれ？珍しい今日はご機嫌じゃん」
あの女を置いて急いで仕事場に行くと、既に出勤していた一虎くんは動物たちの水交換をしながらオレの顔見てそんなことを言った。
「？別に普通だけど…」
「いや、何かいいことあったんだろ。千冬はわかりやすいからな、すぐにわかる」
「……いいことって言うよりどっちかっていうと面倒事だけどな」
「え？なんか言った？」
「別に何でも」
しつこく聞かれたところで何も答えられない。
女を助けてその女をペットとして飼う。その言葉だけを聞いたら誰だってオレの人格を疑うだろう。オレだって、もし同僚がそんなことを言ってきた日にはまずは、良い精神科医を探してそこを紹介すると思う。
言えない。言えるわけがない。ましてや相手がこの男なら尚更だった。自分自身が決めてやったことなのに、よくよく考えるとアホな事をしてしまったと後悔に似た何かに押し潰されそうになる。けれど
「行ってらっしゃい！千冬くん」
誰かに見送られ仕事に出る朝というのはとても気分がいいということはどう言い訳したって隠せなかった。
「…名前考えねぇとなー」
いつも通りに仕事を終えての帰り道、いつもと違うのは毎日必ず寄っていたコンビニには寄らずにスーパーに寄ったということ。
本来ならばいつも通り、毎日食べても飽きないあのカップ焼きそばを購入して帰るところだったが、ふと犬のように尻尾を振っていた女のことを、入りかけたコンビニの駐車場で思い出した。
「…ちゃんと飯食ったかな」
昨日彼女が座り込みぐったりしていた場所を見て、途端にそんなことを思ったオレは、コンビニでのいつも通りの買い物という選択肢は一瞬で無くなりきた道を戻っていった。そして、先ほどは目も暮れずに通り過ぎたスーパーで適当に2人分の食材をカゴの中にぶち込んでいった。
買い物が終わり自分の家のマンションの前につき自分の部屋がある場所を見上げる。いつもなら暗くて当たり前だが今日はあの女を置いてきている。暗くなっているわけがなかった。けれど視界に映った自分の部屋の電気はつけられてはいなかった。
…出て、行った？
別に出て行ったなら出て行ったで構わない。そもそもオレはそれを望んでいたし、あいつがしつこくするから訳の分からないあいつの提案に乗っただけ。
けれど、自分の手にある買い物袋を見て、あんだけ潤んだ瞳でオレを見といて、ずいぶん勝手なクソ女だと心の中で悪態をついた。
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knnk99(プロフ) - つのさんさん» ご指摘ありがとうございます(；´Д｀) 間抜けなミスしてしまいました…。嬉しすぎるお言葉もいただき感謝です。これからもお付き合いいただけましたら幸いです(*ﾟ∀ﾟ*) (2021年8月20日 3時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
つのさん - 9-2千冬が千春になってますよ?この作品好きです！更新楽しみにしてます。 (2021年8月20日 2時) (レス) id: ef4da38789 (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - よるさんさん» コメありがとうございます！いい感じに飴と鞭、千冬くんに使い分けていただいて調教してもらいたいですよね…。楽しんでいただけるように頑張ります。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月19日 21時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
よるさん - 飴と鞭......最高っす (2021年8月19日 16時) (レス) id: 532ad83de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月17日 22時
