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「何をそんなにイラついてんの？さっきの子せっかく可愛かったのに千冬の仏頂面のせいで、帰っちゃったじゃん」
「…どうせ抱いたところで飼う気もない奴だろ。そんな奴に抱かせて期待をもたせる方がこいつらが可哀想だ」
「…抱いて運命感じて飼ってくれる可能性が1%でもあるなら、それがこいつらにとっても一番の幸せじゃね？」
ガキの頃は憎くて憎くて仕方がなかった、今では同じ店を一緒に営むビジネスパートナーとなった羽宮一虎はオレに呆れた顔をしながら言った。本来は一個上の先輩に当たるけど先輩と思ってないので、嫌味を含んだ言葉にも遠慮なしに言葉を返す。
…別にイラついてなんかねぇし！
「わー可愛い」と言うだけで今後のこいつらの人生を背負う気も、面倒すらも一切見る気のない、人間のただ一瞬の身勝手な癒しの為だけに、ここにいる動物たちを触れさせたくなんかはなかった。
触れられた動物は目の前にいる奴をご主人様だと期待する。けど好奇心で一度抱かれただけで、2度と迎えには来てもらえないこいつらの気持ちを考えたら、易々と日々やってくる飼う気もない奴らに触らせるなんてごめんだった。
「まあ、ここの経営者は千冬だし口挟むつもりはねーけどさ。経営者ならもう少し客商売上手くできた方がいいんじゃねーの」
「……それ一虎くんに言われたくないんだけど。女と見たら、すぐ仕事放り出してナンパなんかしやがって」
「自分が女にモテないからってオレに当たるなよ」
「は？オレがいつ女にモテたことないって？」
「前の彼女が何も言わずに蒸発しちゃったのも、千冬のそう言う可愛げのない性格のせいなんじゃねーの？」
「蒸発したわけじゃない！向こうが勝手に出て行ったんだ！」
「…あっそ。向こうが勝手に、ね」
そう意味ありげに呟く一虎くんにどんどんと怒りは増していった。
「何なんだよ、一虎くんにそんなことまで言われたくねーんだけど」
これ以上こいつと話したくないと思って、店の奥の事務所に引っ込んだ。正直なところ、事務所の戸をバタン！と大きな音を立ててやりたいくらいイラついたが、音を立てたら動物たちが驚いてしまう。ガキの頃とは違い冷静に考えて感情任せに動かないでいられるようになった。大人になったオレの長所の一つだった。
それから店内のことは一虎くんに任せ、裏で事務作業に集中した。すると足元にモサモサと動く何かに気づく。パソコンから目線をそちらにうつすと一匹の犬がオレの足に擦り寄ってきた。
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knnk99(プロフ) - つのさんさん» ご指摘ありがとうございます(；´Д｀) 間抜けなミスしてしまいました…。嬉しすぎるお言葉もいただき感謝です。これからもお付き合いいただけましたら幸いです(*ﾟ∀ﾟ*) (2021年8月20日 3時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
つのさん - 9-2千冬が千春になってますよ?この作品好きです！更新楽しみにしてます。 (2021年8月20日 2時) (レス) id: ef4da38789 (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - よるさんさん» コメありがとうございます！いい感じに飴と鞭、千冬くんに使い分けていただいて調教してもらいたいですよね…。楽しんでいただけるように頑張ります。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月19日 21時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
よるさん - 飴と鞭......最高っす (2021年8月19日 16時) (レス) id: 532ad83de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月17日 22時
