【文スト】生きてて、いいの？ (ページ21)

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二十人目ページ21

安吾sids

そう言うと、佳奈さんは沢山の資料を鞄から取り出した。
どの資料にも丸秘、と書かれている。

佳「実は、此は政府の丸秘資料です。
国家機密が沢山記されています。

横領、ですね主に。税金等の。

其に勘づいてしまい消されてしまった警察官、組織、其れ等も記されています。

その他にも政府が行った汚い仕事が山のように。

具体例をあげると、海外密漁、異能の後天的移植、邪魔な人間の暗殺。

真っ黒い、闇よりも黒い仕事の数々が記されています。」

そんなものをいつの間に調べたのか。
恐らく、あれから一週間の間に証拠を捜した時にあって損は無いから、と調べ尽くしたのだろう。

隙の無い人だ。

やるべきことは徹底的にやり尽くす。

この人は昔からそうだった。

政「何が言いたいんですか？」

佳「やだなぁ、此だけ言っても分かりませんか？

情報明け渡す代わりに探偵社員と社長を釈放して探偵社と社長の名誉回復をしろって意味ですよ。

その代わり、何も起きたりしなかった場合、この情報をマスコミにばら蒔いて、ネット上にもばら蒔きまさすから。

どうしますか？

情報をばらまかれるか、釈放と名誉回復を選ぶか。

貴方のような人ならば、何方の方が政府にとって痛く無いか分かる筈です。」

にっこりと笑っていた。彼女は。

敵に回すと絶対に恐ろしいことになる。

真っ黒い影が見える笑みだ。

見ていた私と種田長官、政府役人も真っ青になったほど。

佳「さぁ、今この場でお決め下さい。

釈放と名誉回復か。はたまた、情報漏洩か。

何方にしても損はありますがね。

釈放と名誉回復の方ならばまだ言い訳が通ります。

私の集める情報は確実なものしかありません。

言い訳なんて端から通用しませんし、言わせませんから。

どうしますか？」

今、一瞬彼女が悪魔に見えたのはきっと幻覚だ。きっと、幻覚。幻覚の、筈。

政府役人の方は、苦虫を擂り潰したような顔をして、彼女を睨み付けていた。

余程悔しいのだろう。

暫く、お互いに黙っていたが、やがて、

政「分かりました。条件を飲みましょう。」

すると、彼女はにっこりと笑って、

佳「分かりました。ありがとうございます。

そうだ、呉々も下手な真似はしない方がいいですよ。

其処の安吾に、証拠として終始バッチリ撮って貰いましたから。」

と言って、役人は帰って行った。