十七人目 ページ18
安吾sids
佳「______人を傷つけることでしか救えない無能な人間だ。
彼等に私のしたことが気付かれて、彼等が私をあの探偵社に引き戻そうとするのが怖い。
臆病者なんだよね。
闇に生きすぎて光に怯える。
闇に生きる花は闇でしか生きられない。
かなり前に誰かから聞いたが、其の通りだよ。
探偵社で過ごすと、自分が酷く醜く見える。
私の異能が、本性がバレそうで怖い。
殺戮の異能さえなければ、どんなに良かったか。
私は呼吸をする事すら罪なのに。
まだ、無駄に生きている。
正直、光は眩しすぎて見たくもない。」
彼女は、そう言った。
そんなことは、無い。私は、彼女は光の方が合っていると思うのに。
安「過去の経歴なら私が、異能でやりますよ。
貴女には借りがある。
其ぐらい、タダでやります。
貴女は、光で生きて欲しい。」
佳「無理だよ、安吾。
・
私は、人を殺しすぎている。」
.
彼女は、其きり言葉を発さなかった。
私も、何も云わなかった。
.
安「此処です。
奥に、種田長官と政府の方が。」
.
佳「ありがとう。
そうだ、証拠を残す為に録画しておいてくれ。」
そう言われ、小型カメラを渡された。
相変わらず、この人の技術は凄い。
使いやすく、面白い。実用性がある。
それでいて、戦いも出来るのだから、本当に完璧な人だ。
才色兼備とは、恐らくこの事を云うのだろう。
僕の仕事用のカメラも作って下さった。
此れから、戦いが始まる。
探偵社と彼女の運命がかかった。
生きるか、死ぬか。
何方にせよ、彼女にはもう覚悟ができているのだろう。
硝子に映った瞳は、決意が伝わって来た。
其の目は、必ず、救いたい人がいる人間の、命を捨ててでも救うと云う、
.
.
.
.
決意の目だった。
26人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆい | 作成日時:2018年12月15日 22時