episode 25 ページ26
.
「C6!C6!C6!」
私たちを取り巻く生徒たちの群衆が手を叩きながらはやしたてる。
今は、庶民狩りの真っ最中だ。
そして、晴が庶民の生徒に退学届を差し出した瞬間、その群衆たちに一斉に静寂が訪れる。
皆待ってる。晴のいつものあの決まり文句を。
晴「庶民狩りに例外は……、」
けれど、晴はその決まり文句を最後まで言わずに言いよどんでしまった。
その顔には戸惑いの色が見える。
海斗「う゛ぅんっ!」
そんな晴に海斗が咳払いをして、言葉の続きを催促する。
晴「例外はないっ!」
晴が勢いよく放ったその言葉にまた一斉に盛り上がる群衆たち。
けれど、私の胸には一抹の不安が残る。
晴、なんだか様子がおかしい。
晴の胸をかき乱しているのは、誰?
『ねえ、なんだか晴変じゃない?』
海斗「俺もいまそれを言おうと思った。」
中庭のベンチに海斗と並んで座って話す。
海斗「昨日までは通販グッズのことがバレる、と怯えて
いただけだが今日のはどうも違うな。」
「庶民狩りに対して拒否反応を見せていた。」
『ねえ、それってまさかと思うけど…。』
海斗「ああ。俺も江戸川音が原因だと考えている。」
『…うそでしょ。』
音が隠れ庶民だと晴たちにバレただけでも厄介なのに、まして晴が音にこだわり始めるとなると厄介なんてものじゃない。
私でも音を守り切れるかどうか。
音の婚約者の天馬の存在は、絶対にバレちゃいけない。
晴は天馬に強いコンプレックスを抱いているし、英徳に居座っている隠れ庶民の婚約者なんて分かったら、晴がどんな風に思うかなんて容易に想像できる。
海斗「……おかしいのは晴だけじゃないぞ。」
『へ?それって…』
海斗「お前のことだ。」
「最近ずっと上の空だし、江戸川音にこだわってい
るのはお前も同じだろう。」
「何を隠している?」
『…別に隠してなんか……。』
海斗「俺をごまかせると思うなよ。お前のことならなん
でも____」
愛莉「海斗、見ーつけた。」
.
231人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
小春 - とても面白いです!海斗が好きなので海斗落ちというのが楽しみです!更新待ってます!!! (2018年11月2日 22時) (レス) id: 03ecfa6884 (このIDを非表示/違反報告)
みゅーちゃん(プロフ) - こんばんは!!とっても面白くて大好きです!出来れば天馬君オチがいいな…なんて笑更新楽しみに待ってます! (2018年10月28日 22時) (レス) id: 1cf252bae5 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり - こんばんは(*^^*) 夜遅くにすみません...。 教えてくれてありがとうございます。 更新ありがとうございます。 物語読みました。 今読んだばかりなのにもう続きが気になります。 更新待ってますね。 (2018年9月15日 0時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
*YUA*RAM*(プロフ) - ひかりさん» お話を読んでたくさんのご指摘をありがとうございます。誤字が多くてすみません。すぐに訂正をしますね。また、「」の名前が無いのは同じ人物の台詞が連続するときに省略をしているからです。分かりにくくてすみません。 (2018年9月14日 19時) (レス) id: 2812de563b (このIDを非表示/違反報告)
ひかり - 沢山の直しを言ってしまいすみません(._.) 物語読みました。 続きが気になります。 更新待ってますね。 (2018年9月12日 2時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:*YUA*RAM* | 作成日時:2018年6月24日 5時