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「やっと明日から3連休や〜」

今月もやってきた月に1度の同期飲み会。

正直来たくなかったが強制的に隣のディスクのアイツに連れられて参加せざるを得なかった。

今日も同期はそれぞれの仕事について誇りを持って話していた。

俺はもちろん、特に話すこともなくみんなの話に相槌を打つだけ。周りも俺には話題を振ってこない。

……これももう慣れた。

「重岡ー、2次会カラオケやけどお前も来るよな？」

『あー、俺ええわ。すまんな』

おっけー、そう軽く言った同期は遠く離れたところにいた残りの同期の元に走って行った。

……どーせみんな俺が行かん方が盛り上がるしええやろ。

誰も自分のことなど気にもせずスタスタと歩いていく姿を横目に駅とは逆方向に歩いた。

.

『あ、すみません…』

「チッ、気ぃつけろや」

ボーッと歩いていると酔っ払いのおじさんとぶつかった。俺がボーッと歩いていたから。

……誰からも必要とされていない。人に迷惑しかかけていない。

俺の渇いた心とは裏腹に街は三連休前でとても賑わっている。

あの人たちはきっと何事も上手くいってる。きっと俺みたいにミスをズルズルと引きずらず、自分で解決できてる。

……悩みがあっても相談できる相手がいる

気づくと街からは離れ、見慣れない橋の上に来ていた。

橋の下は真っ暗な川。

橋から川までの高さはザッと10メートルはあるだろうか。

ここから落ちたら、

ここから落ちたら俺は楽になれる？

こんな惨めな思いをせずに、楽になれる？

そんなことが脳裏に浮かぶ。

ポケットが微かに震え、スマホを取り出すと母親からLINEが入っていた。

今日の晩ご飯は魚にしたとかのどうでも良い内容。

高校卒業と同時に兵庫の田舎から大阪に出てきて、近いからという理由で中々帰ってなかった。

きっと両親は、俺がこっちで上手いことやってると思っているだろう。

近いうちに顔見せに行けばよかった。

おかん、ほんまにごめん。

でも、もう正直生きるのが辛い。こんなにも生きるのが辛いなんて思ったことなかった。

そっと欄干に手をかけ、身を乗り出す。

大丈夫。こんなん一瞬や。何も怖いことない。

　

スーっと息を吸い込んで目を閉じた

.

.

「ねぇ、おにーさん。死ぬくらいだったらさ、私と…

音楽、やらない？」