change (ページ15)

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いざキーボードに触ってみると中々上手く弾けない。

…やっぱり全然弾いてないかったら指の感覚も忘れてるもんやな

『ごめん、俺全然弾けてないよな』

　

何度か色々な曲を合わせた後、流星の休憩の一言でみんなが持ち場を離れ俺の周りに来てくれた

「ん？そんなことないで。しげ、普通に上手いしびっくりした！」

ペットボトルの水をペコっと潰しながら神ちゃんはそう言うけれど、やっぱりこのメンバーは一人一人のレベルが高かった

『イヤ、俺なんか全然や。一緒にやってみて改めて思ったけどみんなほんま凄いな…』

「しげちゃん！まだ一日目！(笑)ほら頑張ろう〜！

あ、奈緒ちゃんもう来る！10分前にLINEきてた！」

Aがピョンピョン跳ねながらそう言ったところでタイミングよく扉が開いた

「おつかれ〜」

「あ！奈緒ちゃーん♡」

「おぉ、A久しぶりやね(笑)」

扉が開いた途端Aは扉を開けた張本人に飛びついて行った。

……あれがまだ俺が会ったことない奈緒さんか。ショートカットがとても似合う綺麗な女の人。

いい意味でAとは真逆って感じの人や

「奈緒久しぶりやな〜」

「俺奈緒と会うの3週間ぶりとかかも」

「流星とは確かにそれくらい会ってないよな(笑)ごめん中々来れへんくて。ほんで濱ちゃん相変わらず肩ないな」

「ええて！(笑)毎度毎度！(笑)

……あ、しげこっちおいでー」

Aが飛びついて行った後を追うように足を進めた俺以外の3人。

仲睦まじそうに話をしているところを見ると、奈緒さんもみんなから好かれてるんだとすぐ分かった

輪に入れずその様子を見ていた俺に気づいた濱ちゃんに呼ばれて内心ビクビクしながら俺も扉の前へ足を進める。

「こないだから話してた新メンバーになってもらったしげな。しげ、こっちは奈緒」

「初めまして！みんなから話は聞いてます。

小坂奈緒です。よろしくねしげちゃん」

『あっ、重岡大毅です。まだまだ全然キーボードもできてないんですけど、よろしくお願いします』

俺がそう挨拶すると、奈緒さんはタメでいいからと言ってくれた。

「よし！これで全員が揃ったね！新生changeの誕生だ〜！！」

Aの掛け声にみんながイェーイ！と片手を上げてハイタッチをする

「ほら！しげちゃんも！」

……俺の真っ暗な日常に、一筋の光がさした気がした