死んだあなたが見えるんですが？？

見えるようになったのです ページ1

今までは見えなかった。




鬼に殺された仲間たちも、鬼と化して殺された人たちも。




でも、あの人だけは見えるのです。




「A、胸張って生きろ。また会えるさ」




日が出ると共に沈んでしまったあの人(最愛の人)は。









「……」ｼﾞｨｰｰ




……見られてる、見られてるよね……




部屋の端っこにいるよね……？なんか……なんなんだろうか……




部屋の端にあの人がいるのを気づいたのは、あの人が死んでから２ヶ月ほどたったつい先ほどのことだった。




手紙を書こうと部屋に戻ると、いた。




思わず飛びつきそうになった、泣きそうになった。




でもこれはきっと幻覚なんだとすっぱりと割り切れた。




私はこの二ヶ月で、千寿郎君や炭治郎君、同期であり柱であるしのぶに支えられ、彼の死の悲しみを乗り越え胸を張って生きていこうと前向きになれた。





でも、いざ目の前にでてくるとなにかぐっとくるものがある。




だから目を合わせないように筆をとり、机に向かっているのだ。









「うむ、よもやだ……また会えるとは言ったがこんなすぐにとは思ってもいなかった。」




「ｼｬ……！？……ﾊｯｯｯｸｼｬﾝ」




「！！……Aは風邪を引いているのか」




あぶねぇ、ｼｬﾍﾞｯﾀｧｧｧ！！って言うところだった……




え、まってまって、喋んの？




今までのくだり……前向きにいこうってなってたのに、むりじゃね？






これはもしかしてとんでもないものが見えてしまっているのではないかと思ってしまった、ある日の夜だった。

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