永遠を誓うよ。【轟焦凍】 (ページ5)

今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:11,365 hit

〇ページ5

.

そんなある日のことだった。

ママとパパが珍しくお家にいる日で、轟家にお邪魔することはなかった。家族全員で久しぶりにお出かけをしていたんだ。

最近はあまり燈矢くんたちとは会っておらず、湊と二人きりの時間を過ごしていた。

『ママー！これおいし！！』

母「ふふ、よかったわね。」

湊「ねぇね、僕にもちょうだい！」

『はい湊、あーん。』

微笑ましそうにこちらを見つめる両親。

これが幸せなんだと思った。それなのに、その幸せは一瞬にして崩れていった。

母「………あなた。」

父「あぁ、ヴィランだ。」

突如として現れたヴィラン。

ママとパパに下がっていなさいと言われて、私は湊を守るように抱きしめて路地裏で隠れていた。

『……っママ！！！』

母「Aダメ！こっちに来ちゃ！」

父「クッソ、ホークスはまだか！」

相手のヴィランはママとパパが二人揃ってもなかなか適わなくて、手強かった。あんなにケガだらけになっているのを見たくなくて近寄ろうとすれば怒鳴られた。

そして、仲間であろう後ろから来ていたもう一人の筋肉増量ヴィランに気付かず、その腕でママとパパはお腹を貫通された。

『イヤ……っ、イヤだ、ママっ！パパッ！！』

湊は怖がって震えている。

その震えた身体を確かにこの手で抱きしめていたはずなのに、個性のせいなのか気付けばいなくなって花びらが落ちてきた。

物体の位置を変えることができるようだった。

私は怖気付いて近付けず、そのまま湊は殺された。

ママもパパも息絶えていた。

その後、助けに来た身体に羽を生やしたヒーローのお陰でヴィランを撃退し、私だけが助かった。

そう、私だけ(・・)が。

ホ「君、大丈夫？」

『……………燈矢くん。』

ヒーローの心配する声など聞こえなかった。

私はどうしようもなく彼に会いたくなった走ってお家に向かったんだ。

.