なにわのおんなのこ (ページ33)

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西「 A、携帯貸して」

『え？いいよ、大丈夫やから』

西「あの一緒に歩いてた人、お姉さんでも従姉妹でもないやろ。Aにこんな辛い思いさせてるのにもう黙ってられへん」

もう大吾のことは私じゃ丸め込めなくてよしくんからの電話に出た

正「もしもし！？Aちゃん今どこに、」

西「俺やけど」

正「は....？大吾？なんで？」

西「なんではこっちのセリフやねんけど。Aのこと不安にさせて泣かせといて終いにははよ帰ってこいって？」

正「どういうこと？てか、なんで大吾が一緒なん？」

西「俺さ、言うたよな？お前らが付き合う時。もう絶対Aのこと泣かせんなよって。誰やねん今日一緒に歩いてた女」

正「 ........見られてたんか」

西「悪いけどしばらくAは返さんから」

正「そっか、わかった」

言い訳も否定もしないんだ

俺のAちゃんやからって言い返すのもなくなっちゃったんだ

もう本当に私たちダメなのかもしれない

『 ......もう、あかんのかもしれへん、』

西「 A...... 」

ピンポーン

西「どのタイミングの来客やねん」

ぶつぶつ言いながら玄関へ歩いて行った大吾

ああ、私はいつの間にかこんなにもよしくんのことが好きだったんだと今更実感する

『 .....よしくん、っ、』

西「ほんまにすごいタイミングで来たな」

和「え？なになに？」

西「まぁええわ、上がって」

そんな会話が聞こえてくる、来客さんは和くんだったみたい

三角座りで顔を膝に埋めて泣いた

西「 ........A、」

和「え....？どないしたん？」

西「まぁいろいろあったんよ」

死にたい

そんな思いが駆け巡る

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