なにわのおんなのこ (ページ31)

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『うぅ....っ、だいご〜〜、』

西「俺ちょっと正門のとこ行ってくる」

『待って、それはやめて』

西「なんでなん！？俺、付き合う時にもう絶対泣かせんなって言ったのに」

『まだわからんやん、私の勘違いかもしれへん』

西「もし勘違いやとしてもAのこと不安にさせて泣かせてる事実は変わらんやろ」

『ちょ、大吾、！あかんって！！』

西「なぁ、A？俺さ、Aが幸せならそれでいいって思って正門に任したんよ。けど幸せじゃないAなんか見てられへん」

『大吾のその気持ちは嬉しいよ？けど、最初に誰にも言わん約束したやん。よしくんは今が一番大事な時期やのに余計に疲れさせたくない』

なんとか大吾を落ち着かせ、よしくんには絶対言わへん約束をした

私の勘違いかもしれへん

明日になったらいつもみたいにAちゃん好き〜ってくっついてきてくれるかも

でももし私じゃない女の子と、なんてよからぬことを考えてしまう

『 .......よしくん、』

大吾が楽屋を出て行ってひとりになった

余計なことをいっぱい考えて涙が止まらなくなった

『はぁ、こんなにすきやのにな、』

ここは仕事場なのに泣くなんて私アイドル失格だな

私情を挟んでしまうくらいならいっそ、もう別れてしまった方がいいのかな

『も、やだ......、』

仕事中も仕事が終わってもずっとよしくんのことが頭の中でぐるぐるしていて

『大吾、』

西「あ、A。もう終わった？」

『うん、今終わったとこやけど。ずっと待っててくれたん？』

西「今のAの状態でひとりで帰らすとかできひんよ、」

『ありがと』

西「ふふ、いーえ」

帰り道は大吾が一緒にいてくれて、他愛もない話でよしくんのことを考えなくて済む

はずだった

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