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萩原土下座事件の数日後、警察学校全体が長期休暇に入って一週間後、俺達伊達班は全員揃って海に来ていた。休暇に入ってから今日までは殆ど別行動だったためか、顔を合わせるのは数日、長くて一週間ぶりである。
海に着いてからもあいつらは相変わらずだ。萩原は毎回の如く「妹さんを僕にください!!」と叫び、シスコンゴリラゼロは「は?帰れ」と一蹴。返答があるだけでもマシだと思うべきなのか、否か。
諸伏を間に挟んで言い争っている奴らの事は放っておき、班長と共に一足先に海へとダイブする。海に来て海に入れねぇとか馬鹿すぎんだろ。俺は全力で海を楽しむ。
「しっかし、あいつらも随分仲良くなったじゃねぇか。初日はどうなることかと思ったけどな」
「お前はあれ見てホントにそう言えるか?どう見てもゴリラに遭遇した人間だろ。ほっとくとひねり潰されんぞ、あいつ」
「争ってこそ生まれる絆もあるだろ。お前と降谷みたいにな」
あいつが捻り潰されんのは良いのかよ。走り込みで顔面から地面に突っ込んだあいつに「邪魔だ踏むぞ」と言った俺が言えることではないが。
いい加減二人で泳ぐのも飽きたので、殺意100%で萩原を睨みつけているゼロ達の方に「早く来いよ」と声を張り上げる。
すると意外にも、助走をつけて海に飛び込んできたのはゼロの方だった。殺意地獄から解放されたからか、視界の端で捉えたのは、やっとこさ諸伏の背後から出れた萩原の姿。
ゼロ相手にどんだけビビってんだよ。警察志望が呆れるぜ。
「テメェも萩原も諦めわりぃな。さっさとどっちか折れちまえよ」
「それは無理な提案だな。萩原に妹を渡すくらいならヒロの方が良いに決まってる。……まぁ、ヒロはヒロで、喫茶店のオーナーに夢中らしいが」
どこか不服そうに顔を顰めるゼロ。それに班長が「おいおい、そら初耳だぜ」と驚きの声をあげる。
確かにあいつ一番色恋沙汰少なそうだもんな、とも思うが、すぐに「いや」という言葉が過ぎる。一番ねぇのは
ゼロも萩原同様、持ち前の顔面のお陰で女子にはキャーキャー言われているが、肝心の本人には付き合う意思が微塵も見られない。なんなら彼女作るくらいならヒロと付き合うとか言い出しそうなやつだ。あれは色恋沙汰がないというか自分で潰してんな。
「そういう降谷には無いのか?そういう浮いた話」
「……ない。彼女を作るくらいならヒロと付き合う方がマシだ」
こいつマジで言いやがったよ。そこは予想裏切れや。
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ミルクティー - 萩原&降谷妹の小説から飛んできました!すごく面白いです!!めっちゃ失礼かもしれないですが、景光の気になる人が喫茶店のオーナーだって知った瞬間に叫びました笑 更新頑張ってください! (2022年5月22日 10時) (レス) @page11 id: ae52256784 (このIDを非表示/違反報告)
音美 - …尊死しました、あのね、ガチで一瞬気絶しちゃったんですよ、この作品僕を殺しにかかってるんでは無いですか??? (2022年5月9日 23時) (レス) @page11 id: aed0770e75 (このIDを非表示/違反報告)
Topaz トパーズ - 更新楽しみにしてまってます!!! (2021年11月2日 5時) (レス) @page9 id: 09b28cb614 (このIDを非表示/違反報告)
颯貴@東方&文スト大好き人間(プロフ) - ぜっっっったいあると思いましたwwww初コメ失礼します!続き楽しみに待ってますね (2021年9月3日 21時) (レス) id: 61e081417a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無糖 | 作成日時:2021年9月3日 15時