永瀬くんのお気にいり③ (ページ35)

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永瀬side

あーくそ。かわいいな

ドレスを纏う彼女はいつにも増して可憐だ

『あ！Aちゃ、』

永瀬｢Aちょっと｣

だからこうやって、色んな男から狙われてる

俺もそうやからわかる
心底愛おしいものを見る目で彼女を見つめるんや

永瀬｢ジャケット効果なしかよ……｣

明らかに男物のジャケットやろ
俺のやねんAは

A ｢永瀬くん永瀬くん｣

永瀬｢ん、なに？｣

A ｢背中かゆいです｣

あ、かけってことね

はいはい

ジャケットの中に隠された綺麗な肌

鎖骨ガン見えオフショルドレスって俺の事殺す気？

そりゃ可愛いし似合ってるけどこんな胸元見えてるのはさすがにあかん

永瀬｢本番でもそれ着とったらえーやん｣

A ｢バレますってさすがに｣

裏では邪な視線から守ってやれるけど本番になったら無理や

『音無さん！！』

永瀬｢Aマネさん呼んでたで｣

A ｢うわ、もう時間だー｣

｢ありがとうございました｣って返されたジャケットはAの匂いがする

俺の香水付けてたはずやのに不思議やな

『あー、Aちゃん行っちゃった』

『話せるチャンスだったのに』

とか聞こえてくるマジで早いとこ世に知らしめたい

永瀬｢ぐっ……｣

本番中も気が気じゃなくて、ステージに立つAをヤラシイ目で見てるやつがいないかずぅーっとチェックしてた

おかげでSNSで"永瀬顔鬼なんだけどなんで？"って騒がれててAに心配された

A ｢なんか、あったんですか…？｣

永瀬｢Aのせい｣

A ｢え、私なんかしました？｣

永瀬｢した。めーっちゃした｣

A ｢心当たりが……｣

Aだけやで、俺のことこんな気持ちにすんの