永瀬くんのお気にいり③ (ページ14)

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永瀬｢うわでた、｣

お互いもたれ掛かるようにして睡眠をとるみっちーとA

仲良すぎだろってちょっとだけモヤモヤする

永瀬｢みっちー、監督が呼んでんで｣

肩を揺すると素直に起きる。美しいな顔が

道枝｢れんくん、あ、え、俺寝てました…？｣

永瀬｢寝てた寝てた、ヨダレ垂らして寝てた｣

道枝｢え"うわ最悪｣

｢ありがとうございます｣って律儀にお辞儀して走ってく

永瀬｢………｣

穏やかな顔ですやすや眠る天使

永瀬｢なんなん。天使やから近くにいると眠くなる特殊効果でもあるんか｣

長い撮影期間で俺らは普通に話す"友達"くらいには仲良くなれた

呼び捨てにだってできたし

永瀬｢かわいーな……｣

遠くから見て話せなかった最初とは違って、今は触れる距離にいるから余計もどかしい

永瀬｢餅か｣

頬に触れても起きない

無防備にも程があるな

永瀬｢起きろー｣

A ｢ん"ー、う"ぅ……｣

永瀬｢おーきーろー｣

A ｢う"ぇ…な、がせく……｣

寝起きの顔までかわいいとか反則やろ

永瀬｢こんなとこで寝てると風邪ひくで｣

A ｢あ"い……｣

よたよた立ち上がってソファに寝っ転がった

永瀬｢いや、変わらんやろ｣

暖かいとこで寝た方がいいって意味やったんやけどな

永瀬｢自由かよ｣

衣装のブレザーを眠る彼女にそっと掛ける

永瀬｢あんま無防備やとキスすんぞ｣

なんて、する勇気もないけどさ

Aがいると現場が明るくなる、愛されるために生まれてきたんやと思う

人柄とか性格とか全部が心地よくて紫耀が言ってた眠くなるって言うのがすごくよくわかった

永瀬｢はぁ｣

Aを傍においておきたいって初めて思った20歳の春