思い通りにならない彼女【煉獄杏寿郎】

42　▶杏寿郎視点 ページ43

………こ、この女…
本当にあり得んな………




どういった反応をするか寝たフリをしたが…
寝られる訳がないと言いながら小説を１、２ページめくると何の警戒も無しに熟睡している。





……意識しないにも程があるだろう。
蕎麦屋でもそうだが、俺で無ければ喰われていてもおかしくは無いんだぞ……




何なんだ、本当。
知り合ってからイチイチ腹が立つ事ばかり言うし…。





訳の分からん小説ばかり読み漁り、運命がどうのこうの言って俺に早く運命の相手が現れるのを望み、婚約者のフリを辞めたがる。





………確かに彼女は鬼殺隊のことも、俺が炎柱だと言うことを知らない。
だから俺が炎柱であるから声をかけてくる隊士と違い、その最高位に何の興味も持たないのは分かる。



それでもだ、
自分で言うのもあれだが、この容姿で近寄ってくる女だって大勢いる。
他の柱だって同じだ。



炎柱だと言うことが無くとも、身分も容姿にも申し分ない相手だと言うのに婚約者になるのも断られ、結局は婚約者のフリをすることで話しは進んだ。




…なのに何の興味を示さない。
俺が何をしてもいつだって平然としている。




身体に触れようが恥ずかしい素振りすらしない。




…もっと言えば邪魔者扱いまでしてくる。





それでこんなにもムキになっているのか、
冨岡の言葉に便乗して俺の好ましいところを聞いたが…
意地悪なところだと………？





そんな事、言われたこともない。
もっと他にもあるだろう、と思う。





そもそもは腹の立つ事ばかり言うから俺だって………
優しくなんかしてやりたくない。






別に……知りたい訳では無いが……
一体、彼女はどういった男に惚れるんだ………？
本当に…異性に興味があるのか？

















うむ……
考えても仕方の無いことは考えまい………！

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