思い通りにならない彼女【煉獄杏寿郎】

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杏寿郎は不貞腐れたAをなだめて、機嫌を直すため近くの茶屋へと来た。



しかし機嫌は全く直っていない。



『……私の事を騙して楽しかったですか…？！
あんなにも甲斐甲斐しく煉獄さんのお世話をしてるのを見て………馬鹿なやつだと笑ってたんですか！！！？
あんなにも尽くしたのに……！！』




杏寿郎「……す…すまない…、
しかし騙して楽しんでるつもりは無くてだな…！
あんなにも不器用だとも思わず……悪化しそうで後悔はしていたんだ………。
あれを続けられたらヒビどころか折れてしまうかと…………。

それはそうと、言い方が悪いな！！」





『…………へぇー…』





………謝ってる、これ？
騙しといて失礼な事を……………！
ちょっと腕動かしただけじゃん……




杏寿郎「……………世話をしてもらったら…
君との距離が少し近くなるやもしれんと思ってしまって…。
……つい」





『………はい？』





杏寿郎「………一緒に暮らしても…君は相変わらずだ。
関心を持たないし…その………………
よく分からんが……もう少し関わりを持っても良いのでは無いかと……」




『………だって誰も見てないし家でまで婚約者のフリしなくて良いじゃないですか』




杏寿郎「そうだが…！
婚約者としてじゃなくとも……人としてと言うか……
俺が気になると言うか………」





どういう事？
……………人として………？





あれだけ私に自由にしろやら何も求めるなと言っていたのに………
まさか…………。






ま



さ



か













お友達にはなりたいと？！！
そういう事…？！！





婚約者のフリを頼んだ相手とお友達………
よく分からない発想だわ………





ややこしいな………



私は普段はお友達として接すれば良いの…？
………煉獄さんの事だ、急に距離が近い！！とか言って怒りだすんじゃないでしょうね…………






それなら先手必勝…！





『では……普段はお友達、ということでいきますか……』









杏寿郎「…お友達？


ふむ…………！
なるほど、それは新鮮だ！！
お友達とやらになってあげようじゃないか！！！」






……くそぅ！
…何で上から言われないといけないんだ…！！
お友達も婚約者のフリも私がなってあげてるんだぞ？！！

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