高 橋 く ん と 私 。

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恭「先生、若ない？」




会話の始まりの第一声がこれ。




「ゆってそんな変わらんかもね。
今年21やし。」






高橋くんをとりあえず目の前に座らせ

彼の資料と面談の資料を見比べる。







恭「絶対彼氏おるやろ。」


「おらんよ。忙しいもん。」


恭「やっぱ教師なりたくてここおるん？」


「私はそうやけどね。てかさ。」






「このテストの結果ってこの前の期末やんな？」









初めて彼の目を見た。


これはモテそうなタイプ。









恭「うん。まだマシじゃない？」


「大学行けへんけどね。この感じやったら。」


恭「え、まじで？」


「うん。しかもK大希望してるけど
ランク落とした方がええんちゃう？」






初めましてだろうがなんだろうが。


私が受け持つ以上

この子に絶対余裕なんて持たせへん。









「特に、古典と英語の基礎からやらんと
一般入試でも間に合うかどうか。

まさか、推薦で行こうとか思ってないよね？」







恭「それは思ってへんし、

なんならそこまでやる気ない。」







、、、はい？





「えっと、夏期講習希望したのは

受験生として、だよね？」









恭「俺はぶっちゃけどこでもいいし
親が勝手に来させただけやから。

でもまぁ、先生が担当してくれるんやったら

毎日ここ通ってもええかも。」









私にそんなイケメンかましても無駄なんですけど。

これをイケメンの無駄遣いって言うんだろうな。









「でも授業料頂く以上、私はきっちり
やるつもりだけど。」







恭「俺もほんならちゃんと授業来るやん。
それで良くない？」









反抗期なのか、このイケメンは。

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