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(ym)
‥
俺の事を心配そうに見つめて、途切れ途切れの俺の声をしっかりと聞いてくれる裕翔。そんな裕翔を目の前にすると、今まで誰にも言えなかった事まで、何故かスラスラと答えてしまう。
不思議な力。アルファ特有の圧なんかじゃないのに、言うことをなんとなく聞いてしまう。
「償い、か」
「…俺は、存在してるだけで邪魔だから」
「それ、誰が言ったの？」
「……」
布団を握りしめていた俺の手を取った裕翔。
あの人の手とは違くて、ちゃんと温かい。
その温度を求めるように、握り返す
「…今まで出会った人みんなに、そういう態度取られた、」
「それは、俺もそういう風に見られてるってこと？」
「…違う、裕翔は違うよ、」
不安定だった心の土台が、パラパラと音を立てて崩れていく。いや、心と称した、仮面のような壁。
裕翔が、それを剥がすように崩していく。
「そう、俺は違う。やまのこと邪魔だなんて思ってない」
「……だから、嫌だ、」
「ん？」
「裕翔はなんで、俺に構うの」
「…」
「どうして俺なの、」
視界にはっきり映っていたはずの裕翔が、徐々にぼんやりしていく。自分が泣いていると気付いたのは、少し経ってからだった。
仮面に、必死に守ってきた壁に、ぽかりと穴が空く。
「どうせ嫌いになるのに、なんで優しくするの…
なんで俺に構うの、っ……優しくしないで、…」
「…やま、」
「怖い、怖いよっ……」
今俺を離すまいと手を握ってくれてる裕翔が、怖い。きっと変わってしまう裕翔が怖い。
温かい手が、冷たくなるのが怖い。
「……裕翔には、っ…嫌われたくないのに、！」
今まで抱えてきた、不思議な感情がなんなのかハッキリとわかった。今の俺は、人に嫌われるのが怖いんじゃない。
目の前にいる、裕翔に嫌われるのが怖いんだ。
初めて俺に優しくしてくれたアルファの裕翔が、いつか俺を蔑んだ目で見るのが、怖いんだ。
情けなく泣きながら訴えた俺を、
温かい体が、抱きしめた。
‥
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綺(プロフ) - cさん» オメガバースをちゃんと扱うのは初めてなので至らない部分もあるかと思いますが何卒よろしくお願い致します...！！ (2020年4月18日 8時) (
レス) id: d4403408f6 (このIDを非表示/違反報告)
c - ゆとやまのオメガバースッ、、ずっと求めてました、、っすごく嬉しいし楽しみです！更新頑張ってください！いきなり失礼致しましたm(__)m (2020年4月18日 0時) (レス) id: ecbe736c3a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綺 | 作成日時：2020年4月15日 12時
