【銀 魂】将軍家にいつの間にか新しい家族がいた2【坂田銀時】

50話 人の命 ページ11

Aside



私はゆっくりと起き上がる

ひどい痛みが私を襲う

銀「まだ無理すんな。さっき高杉が縫ったばっかりだ」

貴「………母様達は？」

傷より家族の方が気になる

銀「宮之が風呂に行かせたってよ」

まあ何年もあんな牢屋に閉じ込められてたらまずは風呂だよね

銀「お前なんか欲しいもんあるか？」

貴「銀ちゃん」

銀「え？」

貴「一人じゃ怖いから銀ちゃん居てよ」

なんかまた人を殺しちゃったんだなって思うと怖い

銀「怖い？なんかあったか？」

銀ちゃんは心配そうに聞いてくる

貴「また……人の命を奪っちゃった……攘夷戦争の時もだけど

殺さずに倒す方法とかなかったのかなって思うよ。だってさ命ってこの世で何かを

やり遂げるために生まれてくるんでしょ？私また最低なことした」

昔松陽先生が言って居た

私はあの頃自分がなんのために生まれてきたのかが分からなかった

そんな私に先生はそう言った

だから私は攘夷戦争が終わった後、もう人は殺さないって思ったんだ

貴「それにさ、攘夷戦争終わった日に銀ちゃんにあんなこと言ったけど自分だって

自分の命を大切になんか思ってなかった。家族とか大切なことのためなら死ねると思ってた

でも私はあの牢屋で意識が飛ぶ前に死にたくないと思った。折角家族を助けて

また幸せな日が帰ってくるかもしれないのにって考えたら死にたくなかった」

銀「A……」

貴「さっき先生に言われちゃったよ。私の大切なものの中に貴方も入ってるんですよって

もっと自分を大切にしてくださいってさ………」

銀「A、この世界には犯罪者と犯罪者じゃない奴がいる。大抵の奴は犯罪者ではない

だがお前がさっき殺した伊波達は罰せられる側の犯罪者なんだ。アイツの手下の奴等も

伊波との共犯者だ。宮之には隠してただけで宮之以外の奴全員で仕組んだことだったんだ

攘夷戦争はもう仕方がないことだ。戦争は人を殺すんだよ………」



銀ちゃんは私を抱きしめる

銀「何もお前がそこまで思い詰めることなんかねェよ。それに俺も悪かった

戦が終わった後お前がいつも死体見つめて悲しそうな顔してるのを知ってた

その時にお前が戦に出るのをやめさせりゃ良かったな」

銀ちゃん知ってたんだ。私が人を殺すのが嫌なこと

私はなぜかそれに安心した

私は銀ちゃんの胸に顔を埋める

私の目から涙が出て居た

きっとこれは私のことを分かってくれた嬉しさなんだろうな

51話 影の薄いお二人さん→←49話 目覚め

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