遮光カーテン２ (ページ2)

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貧血のせいなのか、心臓のせいなのか体調はすこぶる悪い。

はぁはぁと忙しく呼吸をする度に吐き気が増してくる。

リクライニングを上げたベッドに身を預け、ガーグルベースを抱え込む。

嘔吐くだけで何も出やしないのに、時間だけが過ぎていく。

この苦しさから逃れたいとナースコールに手を伸ばす。

「はーい、大我くん？どうした？」

「はぁはぁ、阿部、ちゃん」

「大丈夫よ、今先生行くからね」

その言葉を聞いて一気に力が抜けて、手からナースコールが滑り落ちた。

「おぉ、大丈夫か？」

「ﾊｧ酸素、着ける」

「うん、着けような。吐いちゃうかもしれないからカニューレにしておくね」

「ん」

「リクライニング下げるよ。それと、貧血の薬入れるね、少ししたら楽になると思う」

「はぁはっ、ヴッ」

「大丈夫大丈夫、焦んないで、吐いちゃっていいから、ゆっくり息して」

リクライニングを下げて横になると、急に何かが迫り上がって来てガーグルベースに顔を埋めた。

朝ご飯もまともに食べてないから、ツンと鼻を刺すような胃液しか出てこない。

体の怠さ、息苦しさ、吐き気のトリプルパンチで今すぐ意識を飛ばしたいとさえ思う。

「ん～、吐き気止め入れよっかキツいよね。発作起きそうな感じしたりする？」

「はぁはぁ、わかん、ない」

「分かった、モニターだけ着けさせて。寝れるなら寝ちゃっていいから」

いつの間にか寝ちゃってて、目が覚めたら夕方になっていた。

体の怠さは相変わらずだけど、吐き気や頭痛はマシになった。

口元に違和感を感じて触れると、カニューレからマスクに変わっていた。