【アルスマグナ】微炭酸の唇を【泉奏】

3本目 ページ3

夏休みが終わったが暑い日は続く。

そんな暑い日でも2年A組の教室は騒がしかった。


「やっべ、夏休みの宿題…あ、数学忘れた！」

「馬鹿なんですか」


飛び交う様々な言葉。

約1ヶ月ぶりに会うのだから仕方ないのかもしれない。

そこへ九瓏ケントがやって来た。


「みんなー、おはよう」


教卓に立てば気だるそうに欠伸を1つ。

白衣は変わらず白いままだが、彼の肌は少し焼けていた。


「今日は、皆に。新しい生徒を紹介します」


その言葉に少しざわつく教室。

聞かされていなかった分、期待もおおきかった。


「はいれ」


ガラガラッと音のなるドア。

足音を少し響かせながら教卓にたった彼女は皆に背中を向けて黒板に名前を書いた。


「東第一高校(ｱｽﾞﾏﾀﾞｲｲﾁｺｳｺｳ)にいました。九条Aです。よろしくお願いします」

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