桜と君と僕らの嘘 ~secret story~ (ページ38)

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友達ページ38

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顕「元気出してよ、ほらパス！」

「うわっ」

顕「シュートシュート！……あー惜しい！」

外れて転がったボールが壁で跳ね返って、それを拾った顕嵐くんがこっちを振り返った

顕「今度さー、遊園地行かない？」

「遊園地？」

顕「動物園でもいいよ！Aちゃんどっちが好き？」

床にボールを打ちつけながら、顕嵐くんは私の方に歩いてくる

「私は……どっちかな、どっちも好きだけど」

顕「じゃあ、このシュート決まったら遊園地ね！」

「ふふっ、うん」

顕嵐くんの手から離れたボールは綺麗な弧を描いて

シュッとゴールネットをくぐった

顕「よっしゃ！遊園地ー！」

あれから毎日、教室やそれ以外の場所を探したけどキーホルダーは見つからなかった

顕嵐くんはいつも朝早くに来てくれたり

部活の後も一緒に探してくれた

落ち込む私にバスケやろうって誘ってくれたり

こうやって遊園地も誘ってくれて

いつの間にか落ち込んでいたはずの気分も少しずつ晴れていた

「顕嵐くん、ありがとう」

顕「俺はただAちゃんと一緒にいたいなーって思っ…………あーっいや！何でも…」

耳を真っ赤にして慌てる顕嵐くん

こうやって素直に感情を出してくれるから、顕嵐くんといると私も素でいられて楽なのかもしれない

最近はみんなが私に何か隠してるって思って顔色を伺ってばかりだったし

紫耀のこともあるし

少しみんなから離れてみてもいいのかも

でもそんなこと、私に出来るのかな…

顕「そろそろ帰ろっか、俺鍵職員室に戻してくるから門のとこで待ってて」

「うん、わかった」

何かあればみんながなんとかしてくれるとか

みんながいれば他に誰もいなくてもいいなんてずっと思っていた

だから友達も出来なかったし、出来なくてもいいと思ってた

でもそんな考えはもう

終わりにしよう

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