桜と君と僕らの嘘 ~secret story~ (ページ24)

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大好きな手ページ24

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みんなで帰った後、やっぱり紫耀に会いたくて紫耀の家に来たけど家には誰もいなかった

先に帰ったんじゃなかったのかな

しばらく家の前で待っていてもなかなか来なくて

日が傾きかけた頃にやっと紫耀は帰ってきた

紫「えっ、ずっとここで待ってたん？」

「うん……」

待たしてごめんなって言いながら私の体をさする紫耀に、思わずぎゅっと抱きつくと

甘い香りが鼻をかすめた

紫「どうした？なんかあった？」

「……」

紫「A？」

「…………みんな、何で私には教えてくれないの？」

紫「みんな？何を？」

甘ったるい匂いがしつこくて、紫耀から体を離す

紫耀っていつからこんな香水つけるようになったんだろう

「優ちゃんに昔の話聞いてたの、そしたら途中で誤魔化されて……廉もしつこいって」

紫「………そっか、どうしたんやろな」

「勇太と玄樹もなんか隠してるし」

紫「あいつらも？」

「………紫耀どこにいったの？って聞いても教えてくれなかった」

紫「……」

「紫耀？」

返事がなくなった紫耀の顔を見上げると

いつもの優しい目は少し戸惑っていた

紫耀まで、何を隠してるの？

紫「あー……ちょっと先生に呼ばれててん」

「先生？」

紫「そう」

「じゃあ学校に残ってたの？」

紫「うん」

嘘だ…

玄樹が紫耀は先に帰ったって言ってたもん

紫耀の目は何かを隠してる

私には、言えないことなんだね

「……帰る」

紫「えっ、もう？…なら送るから」

たった数分程の距離を送ってもらって

また明日なって紫耀が頭を優しくポンポンする

やっぱり私は紫耀のこの手が好き

だから嘘なんてつかないでよ…

次の日の朝

紫耀は迎えに来なかった

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