桜と君と僕らの嘘 ~secret story~ (ページ16)

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何処にも行くなページ16

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廉「……まだ怒ってんの」

「だって廉が悪いもん」

お昼休み、いつもならみんなのとこに行く廉が教室に迎えに来て驚いた

教室だとあれだからって誰もいない非常階段まで私を連れて来た廉

廉「俺はただお前が心配やから」

「心配されるようなことなんてしてないよ？」

廉はわりとわかりやすい性格なんだけど

たまにわけわかんないんだよね

廉「だってあんなチャラいやつとAが一緒におったら心配になるやん」

「心配だとあんな態度になるわけ？」

廉「それは……」

「……もう行くね、お腹すいたし」

廉「ちょっと待てって！」

廉に掴まれた腕を払おうとしたけど廉の力が強くて払えなかった

それどころかグッと引き寄せられて

気づいたら廉の真剣な顔が目の前にある

廉「……俺がそばにおるって言ったやろ？」

「な、なんの話…」

何？急に話変わってる？

意味わかんないよ？と廉を見上げると、廉はぎゅっと私を抱きしめた

廉「だから………お前も何処にも行くな」

「…………廉…？」

廉って…こんなに声低かったっけ

こんなに力強かったっけ…？

廉に抱きしめられるのは初めてじゃないのに

急に廉が男の人になったみたいで私の胸はおかしいくらいにドキドキしていた

「何処にも……行かないよ……」

この前の私と同じだ

私たちはどうしてこんなに強くお互いを求めるんだろう

いつもそばにいるのが当たり前で

だから離れてしまうのが不安で怖くて

ここにいるって、確かめたくなるのかな

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