桜と君と僕らの嘘 ~secret story~ (ページ46)

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守りたい ~廉side~ ページ46

～廉side～

今、なんて…

A「ねぇ聞いてる？」

「え、あぁ……聞いてる」

A「それでね、私たちの小学校の男の子が亡くなったんだって……廉知ってた？」

………知ってるよ

「いや………知らんかった」

A「ふーん、廉も知らなかったんだ」

俺は動揺がAにバレないか必死やった

よくAに廉はわかりやすいって言われるから、顔に出てへんかなって妙に焦って

何でこんなこと聞いてきたのか

そっちまで頭が回らんかった

A「最近ね、昔のこと思い出すんだ。あんまり覚えてないけど」

「……そうなん」

A「昔のアルバム出して見てたら懐かしくなっちゃって」

「……」

A「優ちゃんて木登り得意だったよね～、あと紫耀と……あと…」

もう、やめてくれ

懐かしい思い出話はいいけど

どうしても思い出したくないことまで思い出してしまう

黙った俺を不思議そうに覗き込むAの顔は

昔の面影を残したまま

あの時の、幼い自分たちの姿が浮かんできそうになって

俺は慌ててAから顔を逸らした

A「廉……？」

「ごめん、もう昔の話やめよ」

こんな時、紫耀がおったらうまく誤魔化してくれるんかな

俺にはまだ、うまく出来ない

A「………わかった」

黙ってしまったAに違う話題を探そうとしたけど

何故かなかなか見つからなかった

話なんて何でもええのに

考えすぎてわからんくなって出てこなかった

ごめんな、A

俺はAを守りたいのに

どうしたらいいのかいまだにわからない

あの時と、同じや

.