検索窓
今日:3 hit、昨日:8 hit、合計:11,167 hit

雨が止んでも ページ1

6月の涼しい頃に考えてた話です。今更感がすごいw
________________________________________________________________________


肌に触れたシーツが馴染んだ感触では無いことが不思議で目を開けると、
飛び込んできたのはふっくらと形の良い桜色の唇。そうだ、昨日は知念の家に泊まったんだ。

「ん、ンぅ・・・」

すぅすぅと小さな寝息が何故か無性に愛しくて、見た目よりコシのある艶やかな黒髪を撫でた。
窓の外にはこの季節らしい頼りなげな朝が広がっている。ぽつぽつと窓を打つ小さな雨粒に、閉めておいて正解だったな、と思った。

逆はあれど、滅多に来ることの無い知念の家。どんよりした天気とは対照的に、ちょっぴり浮かれた足取りで
昨日スーパーで仕入れた食材の待つキッチンへと向かった。



朝ごはんの準備ができ、寝室の知念の様子を見に行く。8時前か。今日は午後からだし、まだ寝ていたら
しばらくそっとしといてあげよう、そんなことを考えながらドアを開けると、室内は先ほどよりひんやりとしていた。

細く開けた窓の傍で、頬杖を突いた知念がそっと目を閉じていた。
美しい横顔には、長いまつげが濃い影を落としていて、誘われるように手を触れてしまいそうな色気がある。

.→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (24 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
33人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ほっぺ | 作成日時:2020年7月28日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。