009 ページ10
確かに直己さんの言う通りでこの状態のAちゃんを1人にするのは俺も心配だった。
どうしたもんかとみんなが頭を抱える中、口を開いたのは広臣だった。
「うちに来ればいいよ。俺が面倒みるから。」
仕事にも連れてきます。2.3日なら俺ら一緒のスケジュールなので。
な。と隣のAちゃんに笑いかけるとAちゃんは恥ずかしそうに、でも嬉しそうに笑った。
「「いや、ちょっと待て(待って)!」」
そんな臣の言葉に待ったを掛けたのは、岩ちゃんと…
俺だ。
岩「臣さんはやめた方がいいと思います…、なんて言うか…今二人きりにしたらなんか二人が違う道に進んでしまいそうな…嫌な予感が…」
岩ちゃんが青い顔をして頭を抱える。
そして、みんなが俺を見る。
俺は…なんで反対したんやろ?
なんか、俺が一番最初にAちゃんにAちゃんのこと聞いたから、できることなら…俺が、ちゃんと面倒見てやりたいなーなんて…感じかな?
分からん…よく。でも…
「俺が責任もって面倒みます!!」
なんて、勢いよく言っちまったから後戻りは出来んなぁ。
N「じゃぁ今日はとりあえず健二郎な。明日の様子はまた明日決めよう。臣、お前今夜はTAKAHIROさんと飲む約束してんだろ?」
臣の抗議の声にNAOTOさんがTAKAHIROさんの名前を出すと臣は「げ、忘れてた。」と悔しそうに呟いた。…TAKAHIROさん可哀想だな。
という事で、Aちゃんを家に連れて帰ることになった。
途中隆二の部屋によって着替えや何やらを取りに行ったがAちゃんが隆二のパンツを見て真っ赤になるのがおもしろかった。
お前、隆二の隆二見てんやろ。
「臣の家の方がよかったか?泊まるの。」
そう聞けば
「ううん、おみくんちなんて緊張し過ぎるからけんじろくんちで良かった。」
なんて無邪気な顔で笑う。
…なんだかすごく負けた気がするのはなんでだろう。
車の中、早速さっき臣からプレゼントされた新しいアルバムを嬉しそうに聞いている。
時折聞こえる鼻歌は隆二そのもので、でも丁寧に閉じられた両足だとか何故かシートベルトを両手で握る仕草だとか、なんや不思議なもので
女の子に見えてくるような…
なんかすまん…隆二。
「けんじろくん、お腹すいたね。」
「お、そーやな。」
「けんじろくんちなんか食材ある?」
「…ないな。」
「じゃぁ買い物してこ!私が何か作ってあげる!」
そう言って笑う顔が…もうなんか…
あかん。
78人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:kyle | 作成日時:2018年3月11日 11時