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半分腰の抜けたおみちゃんの身体を支えながら到着した病院。

待機していたマネージャーさんに促されて病室へと急ぐ。当のマネージャーさんが真っ青な顔をしていて隆二の容態がいよいよ心配になった俺の目に飛び込んできたのは、
白いベッドの上に座って俺たちを見る隆二だった。

「けっ…けけけけ、けんちゃん!」

なんや、元気そうやん。

起き上がれてるし、顔色いいし、
若干“け”が多いけども、
どこが悪いん?

なんて、軽口を叩こうとした瞬間、隆二の様子がおかしいことに気付いた。
それはおみちゃんも同じだったようで、

「…隆二?」

と不安気に呟いた言葉は今にも消え入りそうなほど小さかった。

ベッドに腰掛けながら俺たちを見た隆二は、
目を大きく見開いて、
俺たちをキョロキョロと交互に見たかと思うと真っ赤な顔をして口をパクパクとさせる。そして、

……布団を頭からすっぽりとかぶってしまったのだ。

「ん?りゅうちゃん……どうした?」

ベッドの上の布団を引き剥がそうと手を伸ばした俺をマネージャーさんが止める。
そしてそのまま廊下に出るように促された。

廊下に出るとマネージャーさんはひどく深刻な顔つきで、こう言った。

「今市さん、とうとうおかしくなっちゃいました。」

マネージャーさんの言葉に俺たち2人が数秒固まったあと、

「え?隆二がおかしいのは元々だけど……」

って……おみちゃんよ、

「……ぷっ!あかん!おかしくなったったとか元々おかしいとか、二人ともりゅうちゃんバカにしたらあかん!笑」

「いや、バカにしてません。割とガチめなやつです……」

マネージャーさんは俺が爆笑してんのも気にせずにそれはそれは深刻そうに隆二の様子を話し始めた。


「朝から今市さんと連絡取れなくて、家に行ってもいなくて、俺、あちこち探し回ったんですよ。
で、やっと見つけたと思ったら俺の顔見てなんて言ったと思います?

「ここはどこですか?私は誰ですか?」

……しかも号泣しながらですよ?!もうビックリして俺。」


……あかん、また笑ってまう。

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作者名:kyle | 作成日時:2018年3月11日 11時

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