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その言葉に私の体は、僅かに反応する。
やっぱり彼は女の子を望んでるんだろうか。
自然と心臓がバクバクと早鳴りし始める。
「…女の子だったらいいね」
そんな無責任な言葉を口にしながら私は、彼に表情を読まれたくなくて目を閉じて寝たふり。
早くこの話題を終えて、という意味を込めて。
なのに彼は話を続け始めてしまう。
「女の子だったら、誕生パーティーもなくなるだろうし
最初の子が女の子だと、育てやすいって聞くし」
彼の声があまりに穏やかで、このまま膝の上で寝てしまいたいくらいなんだけど。
今夜の私にはそんな余裕はない。
それは数日前のこと。
妊婦健診のために２人で病院に訪れた際の出来事。
「性別は教えないでください」
と、事前に先生には話しておいたんだけど。
エコーを見ている先生がボソッと呟いたのを、私は聞き逃さなかった。
「…男の子だな」
…待って！
今、男の子って言った！？
ちょうどこの時、彼は仕事の電話が入ってたので席を外してたわけで。
…だから、彼は何も知らない。
お腹の子は、どうやら男の子だってことを。
「ベビー服、どっちでもいいように白とか薄い色目の物ばかりを買ってたけど、ピンクのものも買っておけばよかったかもね」
私はずっと寝たふりを決め込んでいるのに、彼はゆるゆると私の髪を撫でながら、一向にこの話題をやめてくれない。
まるで無理矢理、女の子だと思い込もうとしてない？
「女の子なら、Aに似てるといいんだけど」
そんなのん気な彼の呟きを聞きながら、脳内では必死で動揺と戦っている私。
…えらいことになってしまった。
まさかの男の子だなんて、彼が知ったらどう思うんだろう。
てか、きっと厄介なことになるに決まってるよね…。
薄目を開けたら、すぐに彼と目があってしまった。
つい勢いで、
「もし、男の子だったらどうする？嫌？」
そう質問したら、彼は意外そうに一瞬だけ目を見張って、
「別に嫌じゃない
むしろ、息子の方が扱いは楽かもしれないと思うけど…」
そう言いかけては、言葉を濁した。
わかってるよ、お義母様だよね？
長兄も次兄も、子どもは女の子のみ。
となると私達の子が、お義母様にとって初の男の子の孫になるわけで。
その事実を彼に伝えることは、今の私にはどうしてもできなかった。
…あまりに恐ろしすぎて。
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まいまい(プロフ) - 読了しました…感動です。最後まで魅力的なお話でした。書いていただいてありがとうございました！！また他の作品も読んでみたいです。 (2021年5月6日 23時) (
レス) id: d8ffbdef31 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - かばえさん» 今まで読んでいただいてありがとうございました。玉担さんだったんですね！また何かしら書きますので、その時はよろしくお願いします。 (2021年3月8日 16時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - かみりーなさん» 読んでいただいてありがとうございました。かなり重めな感じに仕上がってましたよねｗまた何か書いていきますので、その時はよろしくお願いします。 (2021年3月8日 16時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
かばえ(プロフ) - マーマレードものすごく素敵なお話でした。ドキドキハラハラキュンと読んでいて楽しかったです。マーマレード完結で寂しくなるけど次回作も楽しみにしています。玉担ですがマーマレードの渉さん大好きでした。 (2021年3月7日 10時) (レス) id: ee5b6d6ece (このIDを非表示/違反報告)
かみりーな(プロフ) - 完結おめでとうございます。そして素敵な物語をありがとうございます。マーマレード渉さんの重ーい愛が新鮮で大好きでした！他の作品も楽しみにしています！ (2021年3月5日 22時) (レス) id: 1856802e71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りたわかめ
| 作成日時：2021年1月2日 23時
