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ハネムーンの1回目の渡航先は…、なんと新潟だった。
どうしてもうちの両親に報告と挨拶がしたいって彼が言い張るから、新幹線に乗って新潟まで。
うちの両親から大歓迎を受けて、散々食べさせられ飲まされた夜。
私達は離れの和室の濡れ縁で、2人で夜空を見上げていた。
「本当にここ、日本?
こんなに空が近いとか、びっくりなんだけど」
ずっと口を半開きのまま、上を見上げてる私の隣で彼は、
「余計な光がないからじゃない?」
とか、至極真面目な返答をしてくる。
「それにしても、こういう所で暮らせたら幸せなんだろうな、と思った」
彼は同じように夜空を見上げながら、そんなことをポツリと呟いた。
「家と家がありえないくらい離れてて、自然がいっぱいで、開放感があって」
「人里離れてる感じがいいってこと?」
確かにうちの両親の家は中心部から少し離れていて、田んぼの真ん中にある一軒家だけど。
私には退屈そうにしか思えない。
「それもあるし、なんか誰にも干渉されない感じがいい」
「じゃあ、今度引っ越す時はそういう家にする?」
そう聞いたら彼は、本当に幸せそうに微笑むから、
その顔を見ているだけで、胸が痛くなってきた。
その肩にもたれかかったら、彼は自然に肩に手を回してくる。
不思議だ。
今までは私の扱い方もよくわかってなかった彼が、今では少し体重を預けただけで、普通に肩を抱いてくるとか。
「本当にうちの会社に戻っていいの?
自由になって、やりたいことを見つけるんじゃなかった?」
「やりたいことをずっと考えてたんだけど、うまく見つけられなくて
でも、元の職に戻れるって考えた時に、少しだけホッとしたから
結局、俺にはこれしかできないのかって、情けなくもなったけど」
本当にこの人は、不器用な人なんだな。
あんなに自由になりたがってたくせに、結局元の位置に戻ることに安心したり。
だけどそんな自分に不甲斐なさを感じたり、なんて堅苦しい生き方をしてるんだろう、彼は。
こうなったらこの1ヶ月の休暇は、彼の知らない世界を見せてあげる旅にしよう。
今までだったら、絶対に経験してないような旅に。
「東京に戻ったら、とりあえず行きたいところがあるんだけど」
そう切り出したら、彼は無言でじっと私の顔を見つめてくる。
「ディズニーランドに行かない?
1日じゃなくて、数日
ランドとシーをハシゴすんの」
絶対行ったことないでしょ?
私が新しい世界を教えてあげる。
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まいまい(プロフ) - 渉さん、無事で良かった〜2人には幸せでいて欲しいので、この展開は嬉しいです。子供出来てたらなお嬉しいなぁ…それにしても渉さん、どんどん成長しますね! (2021年5月6日 14時) (レス) id: d8ffbdef31 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - Haruさん» まあまあ、焦るな焦るな。まだ妊娠とはわからんで。生理の有無を聞いただけですがな♪ (2019年9月29日 22時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - えぇぇぇええーーー??ここへ来ての妊娠?!穏やかにニマニマ読んでたのに一気にそわそわしだしたやないかっ。 (2019年9月29日 22時) (レス) id: 476aea9d9a (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - ひとみKandHさん» 本当に!!ミラコでラブラブできるのかどうか(/ω\*)横尾さんとディズニーシーは雰囲気的に合うと思うんですよね♪ (2019年9月19日 18時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
ひとみKandH(プロフ) - こんにちは!横尾さんとインパなんて(^^)待ち時間も絶対楽しいですよね!ミラコでのらぶらぶシーンも楽しみにしています! (2019年9月7日 11時) (レス) id: d7aec2014e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りたわかめ | 作成日時:2019年7月31日 0時