We believe...

24.yt ページ25

...違う、こんなんじゃない。


俺はこんなこと、微塵も望んでいないのに。


頭ではわかっているのに、体と心が言うことを聞かない。


俺の下で意識を飛ばしそうになりながらも耐え続ける雄也も、泣きながら必死に目を逸らす慧さんも...


...俺はそんなもの、見たくはない。


俺に涙を見られまいと我慢し続ける雄也なんて見たくない。


そんな作り物の雄也は嫌い。


泣いている慧さんなんて見たくない。


もっとお話できるようになりたいのに。


...止まれ。


止まれ、止まれ...


止まってくれ、頼む...


このままでは雄也が壊れてしまう。


だけど雄也は自分の体が壊れても、きっと笑ってしまうのだろう。


また一つ、作り物が増える。


そんなのは嫌だ。


止まれ、俺...


止まれ...止まれ止まれ止まれ...っ


｢慧っ！！！｣


っ！？


｢雄也...っ！？｣


！！！！


...


...俺のぐるぐるとイライラ。


断ち切ったのは、よく知る幼い声と懐かしい声。


だけどその口調は、どちらも聞いたことの無いほどに鋭くて...。


｢慧、大丈夫！？｣


｢裕翔くん...なんで...っ｣


薮さん。


その人の手が俺の肩に触れた。


心身共に冷めきった俺に、その温もりはあまりにも急すぎて。


｢裕翔くん！？｣


｢ゅ、と...｣


雄也が俺の名を呼ぶのが聞こえ、それを最後に俺に意識は完全に落ちた。


...


...


────


...


...


『...ぃ...っ、』


...ん？


『ぃや...っやめ...』


雄也...？


『嫌だ、...っん...ぁ』


...あぁ、雄也だ。


いつものように抱かれているんだ、“客”に。


『嫌だ...っ！！！』


...あれ？


嫌がっているの？


いつもはあんなに善がっているのに。


客に抵抗するなんて、後で怒られちゃうよ。


『...そうそう、いい子だねぇ。じゃあ次は...』


...？！


『ねぇ、俺のことが好きなんでしょ。俺のことを愛しているんだよね、雄也は。』


...なんで。


『大好きだよ、雄也。お互いに愛し合っている印、付けてあげる。嬉しいでしょう？』


あれは、あの声は...


『動かないでっ！！俺の言うこと聞いてよっ！！！』


...俺。


俺、だ。


でも、どうして？


どうして俺が雄也のことを傷付けて...


...


...


傷、付けて...


...


...


...傷付けて？


傷、付けて...いたの？


俺が...？


俺は、雄也のことを...


...


...


雄也の為に始めた行為、刻み付けた愛の印。


その全てに、雄也は傷付けられていたの...？

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