We believe...

14.yt ページ15

((ｶﾞﾁｬｯ...


『ただいまー...。』


ドアの音と雄也の声。


俺は一目散に駆け寄って、雄也が昨日の反省を活かしているかをチェックする。


｢おかえり...今日はちゃんと一人で帰って来たんだね。｣


｢...うん。｣


あれ、なんだかいつもより元気が無い。


視線は下を向いているし、コンビニの袋を持つ手には力が無い。


今日はお疲れなのかな...？


｢雄也、何かあった？｣


｢え...っ！？ぁ...いや、特には...｣


｢...俺に隠し事する気？今日の雄也、なんだか変だよ。｣


｢本当に何でもないから...っ｣


...は？


明らかに慌てているくせにまだ隠そうとするの？


それともなに、俺には言えないこと？


...イライラする。


｢...今日、大ちゃんが来た。慧さんが作った魚の料理持って来た。雄也の分もある。料理の名前は忘れたけれど。｣


｢そっか...。｣


｢はい、俺は言ったよ。今日あったこと、俺は報告した。雄也は？｣


｢っ...｣


｢ねぇっ、雄也はっ！？｣


｢...｣


更に俯く雄也...


俺のことを無視するの？


そんなのダメだよ。


酷いよ、雄也。


イライラ...


思わず雄也の肩を掴んで強く揺さぶる。


だって、こうでもしないと言うことを聞いてくれないんでしょ？


だったらしょうがないよね。


｢どうして黙っているの！？俺は雄也のことを心配しているんだよ。それを無下にする気！？｣


｢わかった、話す...話すから...！｣


...最初からそう言えば良いものを。


俺は雄也の腕を掴み、リビングへと引っ張る。


雄也は袋を冷蔵庫に仕舞い、水を飲んでからソファに座る俺の目の前に立った。


｢何突っ立っているの？座りなよ。｣


自分の隣をポンポンと叩くと、雄也は小さく首を振る。


｢いや...いい。ここでいい。｣


｢どうして。俺の隣には座りたくないってこと？｣


｢違う、そういうわけじゃ無い。｣


｢だったら座って。見下ろされるのは気分が良くない。｣


｢...ごめん。｣


一言謝ってから恐る恐る腰掛ける。


どうして雄也は一々口答えをするのだろう。


結局は従うくせに。


本当に学習しないよね。


｢それで、何があったの。｣


｢...うん。あのね、怒らないで聞いてね。｣


｢俺に命令しないで。｣


｢ごめんなさい...。...今日、薮さんに傷のことがバレちゃった。｣


｢ふーん。...で？｣


｢それで...でもね、ちゃんと自分でやったって誤魔化したよ！信じてもらえたはず。｣


...は？


誤魔化した...だと？

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