10.yt ページ11
((ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ...
俺が暫く独りで悶々としていると、来客を知らせるインターホンの音が鳴った。
今日のカレンダーの数字は赤色。
毎週この日の真昼間にここへ訪れる人物、心当たりは一人だけ。
あの時俺達を必死に守ってくれた警察官。
俺が心を開いている、雄也以外では唯一の存在だ。
｢...はーい。｣
渋々鍵を開けると、トビラの向こうに立っているのはやはり俺が想像していた人物だった。
にっこりと笑って、さも当たり前であるかのように勝手に玄関へと入ってくる。
｢よっ、裕翔。雄也は仕事？休みは水曜だったかな。｣
｢うん...。何しに来たの？｣
｢酷いなぁ、せっかくの休日を潰して来てやったのに。｣
｢ここは俺と雄也の愛の巣なんだから、あまり踏み荒らさないでもらえる？｣
｢まだやってんの？あれだけやめろって言ったのに...。｣
｢大ちゃんには関係無いでしょ。で、本当に何しに来たの。｣
｢あぁ、そうだった。うちの嫁さんがさ、金目鯛の煮付けを大量に作ったのね。市場に買い物に行ったら魚屋のおっちゃんがアホみたいににおまけしてくれたみたいでさ。やっぱりいくつになっても美人には目がないんだよな、男ってのは。｣
｢俺は雄也以外には興味無いけれど...。でも、確かに慧さん綺麗だよね。｣
｢だろ？それで、その美人の手料理をこうしてわざわざ持って来てやった優しい俺への労いは？｣
｢うーわ、めっちゃ美味そう。｣
｢...お疲れ様、俺。優しいね、俺。｣
｢ねぇ、今食っていい？｣
｢んぇ？雄也のこと待たないの？｣
｢どうせ夜に弁当買ってくるだろうし。俺、腹減った。｣
｢昼飯まだなのか？もうすぐ二時だぞ。｣
｢さすがにカップ麺じゃ足りないよ。ね、だからさ...｣
｢しょうがねぇな...。じゃあ一尾だけにしろよ。もう一尾は雄也の分。あいつも夜にコンビニ弁当だけじゃ辛いだろ。｣
｢伝えておくよ。｣
金目鯛を皿に移して一尾を電子レンジに、もう一尾には蓋をして冷蔵庫に入れる大ちゃん。
電子レンジのスイッチを押して、今度は勝手にソファに腰掛けた。
｢...まだ居る気？｣
｢どうなの、調子は。雄也の傷は治った？｣
｢まだちょっと残ってる。でも浅いのは消えてきた。｣
...嘘をつくのももう慣れた。
恩人とはいえ、そんなことまで正直に話すことは無いだろう。
｢傷が治ったら、もっとファッションが楽しめるね。二人共スタイルが良いから、何でも似合うよ。｣
｢...チビ。｣
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まなお(プロフ) - 蜂蜜色羽@最近同担に嫉妬を覚えてる。さん» そうですね、実際自分は兄弟で一番上なので、弟よりは兄目線が書きやすいので深いと言えば深い思いは込めているつもりですｗ今回はちょっとドロドロが過ぎましたね...ｗでも、こうやって物語の本質を見抜いてくださる方がいると心強いです！ありがとうございます！！！ (2018年7月10日 23時) (
レス) id: 36d920dbb6 (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜色羽@最近同担に嫉妬を覚えてる。(プロフ) - もう本当...複雑ですね〜、“恋は”。世界には色んな、愛の形がありますよね。それが例え、醜くても純粋なものだとしても、その人を愛している事に変わりはない...お互いがそれを望んでいるなら、私は良いと思います。素敵なお話、ありがとうございました♪ (2018年7月10日 23時) (レス) id: 31b17e5fce (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜色羽@最近同担に嫉妬を覚えてる。(プロフ) - 完結おめでとうございますぅぅぅ！この作品も本当に、大好きでした！いつも思うのですが、まなお様の書かれる作品には、まなお様の深い思いが、込められているのではないかと...あ、これはあくまで、私的見解なので笑 気にしないで下さい笑 (2018年7月10日 23時) (レス) id: 31b17e5fce (このIDを非表示/違反報告)
まなお(プロフ) - ひかやぶ愛ingさん» そんなに！？ｗまぁ最近伊野ちゃん受けが多いからひかやぶ不足ってのは頷けるな。とりあえず期待しないで待っててねｗ (2018年7月9日 19時) (レス) id: 36d920dbb6 (このIDを非表示/違反報告)
ひかやぶ愛ing - やぁぁぁったぁぁぁぁぁ!!!!!ありがと!ひかやぶ(拝) (2018年7月9日 18時) (レス) id: 18cd2ba58d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まなお | 作成日時：2018年5月22日 16時
