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正直乗り気じゃなかった。
お酒は飲めないし、大学時代のカーストは上の方ではないと自負しているから、大人数の飲み会は苦手だった。
大学時代に親しかった友人が久々に誘ってくれて、編集作業も少し落ち着いていたから一つ返事でまあいいよと答えてしまった。
送られてきていた居酒屋の個室に入れば、懐かしい顔がちらほら。知らない人が半分くらいだけど。
視線を落とせば、唯一の女の子が端に座っていた。この場の人間との関係性は分からないけど、とりあえず隣が空いていたからそこに座ろう。
『Aっていいます。』
「あ、カンタです。」
挨拶もそこそこに注文してもらったカシオレの登場。そりゃあカシオレ頼めば弱いって悟られるだろう。女の子に少し笑われたのは悔しいけど。
友人のYouTuberやってるという紹介があったけど、水溜りボンドを知っている人は同級生を除いて誰もいなかった。
『あの、YouTubeって動画の編集とか、するんですよね?全部自分で?』
Aちゃんはどうやら映像制作とか、そういうのに興味があるらしくて、なんとなく的外れというか、初歩的な質問を僕に聞いてきた。
「そう、編集も企画も出演も全部自分で。」
『えっすごい!あまり動画とか見ないけど、テレビに負けず劣らず大変なんですね。』
少しアルコールのせいもあって、つい語ってしまった。俺が動画を始めたきっかけやら相方をトミーにした理由とか。うんうん、と一生懸命聞いてくれる彼女は話を引き出す不思議な力がある、と思う。
その日はいつもの飲み会よりも時間が過ぎるのが早くて、思っていたよりも抜け出すのが遅くなった。
一応、とAちゃんのラインを聞いた。この子には俺みたいに自分のやりたいことを突き進んでほしい。人生の先輩ぶってるけど、単純にそう思ったから俺が教えられることがあれば、、っていう一応。
今日は飲みすぎた。タクシー捕まえて早く帰ろう。
.
「A、カンタといい感じだったじゃん、惚れた?あーでもあいつ女に興味ないからなあ」
なんて、カンタさんが帰ったあと散々イジられたけど。彼の動画に対する思いと、クールそうに見えて意外と熱いところはひしひしと伝わった。
カンタさんには『ありがとうございました、貴重なお話が聞けてよかったです!』と簡単なラインを送って。
早く家に帰ってカンタさんの動画を見よう。
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まる - ルールを理解せずに作られた違反作品が増え、占ツクが無法地帯だと言われる要因の一つになっています。皆が楽しく活動できる占ツクになるようご協力下さい (2018年12月13日 6時) (レス) id: 37f06ab587 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい、違反行為です。最初に編集画面の注意事項をちゃんと読まれましたか?そこら辺をちゃんと読まれて、ルールを確認の上作品を作るようにして下さい (2018年12月13日 6時) (レス) id: 37f06ab587 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふらふら | 作成日時:2018年12月13日 6時