安室透という男 ページ3
○
「あの、私折りたたみあるんですけど」
「折りたたみじゃ濡れます。一緒に帰りましょ」
いや、濡れない為に折りたたみ持ってきてるんだし
と言おうとしたがこの人に何言っても無駄なのはよくわかってるのでもう何も言わない
私は小さく溜息をつき歩き出す
もちろん、男はその後をついてくる
ついてくるどころか隣を歩く
「手、繋いでもいいですか?」
「いいわけないでしょ。調子に乗らないで」
わかりました。と笑顔でいう男
・
・
安室透
それがこの男の名前
あの名探偵、毛利小五郎の事務所の下にある喫茶店ポアロ。そこの店員でJKの間ではイケメン店員として結構有名な人
「はぁ…」
「どうしたんですか?何かありました?」
私の小さい小さく溜息も聞き逃さずに尋ねてくる
この人の観察力は本当にすごい
ずっと見てるんじゃないかっていうくらい私の行動を把握してる
「こんな溜息をつかせてんの誰なのよ」
「なにかされたんですか?」
わかってるくせにわからないフリをしてる
そういう所が腹立つ
「もういいよ。家着くからここで。さよなら」
「はい。さよなら。また明日お迎え行きますね」
「来なくていいから!」
笑顔で手を振る男に私は叫んだ
748人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:汰 | 作成日時:2018年5月11日 19時