【HP】ジョージ・ウィーズリーと結婚するお話⑫＊謎のプリンス＊ (ページ10)

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＊やすらぎのひとときページ10

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店員に軽く会釈して店内を見渡したが、2人の姿は見当たらない。

？「何かお探しですか？」

「あー…えっと…お店の店長はいますか？」

？「Mr.ウィーズリーとMr.ウィーズリーでしたら、ただいま事務所にいます。お呼びしましょうか？」

「いいえ、忙しそうなので大丈夫です。…これください」

私は近くにあったズル休みスナックボックスを手に取り、女の人に渡した。ポケットから金貨を取り出し、支払いを終えて店を出ようとしたら、女性がお店に入ってきた。

すらっとした女性は長い黒髪を耳にかけながら、店員にペコリと会釈した。この人、この間WWWにいた人だ。私と目が会うとニッコリと微笑み、窓の外を指差した。

女性「こんばんは、いい夜ですね。私はジャスミン・ターナーといいます。あそこのお店でお花を売ってます。…と、いってもまだオープンしてないんですけどね」

ふふ、と小さく笑いながらジャスミンさんは懐から名刺を取り出して両手で私に手渡した。綺麗に整えられた爪だが水仕事のせいだろうか、手が少しだけ荒れている。そして彼女の左手の薬指にシルバーの指輪がキラリと光っていた。

「結婚してるんですか？」

ター「え？は、はい！」

私が突然変なことを聞いたので、ジャスミンさんはびっくりした顔で答えた。私は慌てて名刺を受け取った。名刺をまじまじと見つめていると、2階のドアが開く音と、階段を降りる2人の足音が近づいてきた。私は2人にどんな顔で会えばいいのか分からなくてさりげなく顔を背けた。

フレ「なんだか騒がしいと思ったらターナーさんだったのか！」

ター「騒がしくしてごめんなさい。注文してくれた花束なんだけど…お花がお店に届いてなくて明日中には作れないって伝えにきたのよ」

ジョ「こんな時だから仕方ない………あれ？」

ジョージからの熱い視線を背中から感じたので、ゆっくりと振り返った。ジョージは目を丸くした後、勢いよく抱きしめてきた。

ジョ「A！」

「ジョージ！」

ジョ「髪の毛切ったせいですぐに気が付かなかった。短いのも似合ってる、凄く可愛いね」

ジョージは両手で私の髪の毛を優しくかきあげた。